図表1 ●Webブランド指数 総合ランキング トップ50
図表2 ●【一般企業編(ネット専業企業除く)】 Webブランド指数ランキングトップ10
図表3 ●「ファミリーマート」のスコアチャート
図表4 ●「ヤマト運輸」のスコアチャート
URL: https://consult.nikkeibp.co.jp/premium/lp/wb/
【調査結果のポイント】
●総合ランキングTOP3は前回と同じく「楽天市場」「Yahoo! JAPAN」「Google」
●一般企業編(インターネット専業企業を除く)では、「ファミリーマート」が初の首位となった。第2位は「ヤマト運輸」、第3位は「マクドナルド公式サイト」
●企業活動への理解、関心などの意識変化を測る「態度変容:企業活動」は「トヨタ自動車」※1がトップ。第2位は「大塚製薬」、第3位は同率で「トヨタ自動車 公式企業サイト」「富士フイルムビジネスイノベーション」
※1:「トヨタ自動車」サイトは商品情報サイト、「トヨタ自動車 公式企業サイト」は企業情報サイト。本調査ではそれぞれを調査対象としている。
■総合ランキングのTOP3は「楽天市場」「Yahoo! JAPAN」「Google」で、前回と同じ顔ぶれとなる
調査対象500サイト中の総合ランキング第1位となったのは、前回調査と同様「楽天市場」だった。第2位は「Yahoo! JAPAN」、第3位は「Google」となった。TOP5まで前回と同じ顔ぶれとなった(図表1)。
第1位の「楽天市場」は、Webブランド指数(WBI:Web Brand Index)が前回(2024-春夏)の118.0ポイントから7.3ポイント減の110.7ポイントとなった。WBIを構成する6つの個別評価指標※2のうち、5つの指標が低下したものの、500サイト内では高評価を維持している。特にサイト接触により行われた行動を測定する「行動喚起」においては、167.5ポイントの極めて高い評価を獲得し、全500サイト中で第1位となった。キャンペーンやポイントサービスへの関心が高く、消費者の生活に密着した役に立つショッピングサイトとして高い評価を得ている。
※2:WBIは、「アクセス頻度」「サイト・ユーザビリティ」「サイト・ロイヤルティ」「態度変容:製品・サービス」「態度変容:企業活動」「行動喚起」の6つの個別評価指標で構成している。なお、「態度変容:製品・サービス」「態度変容:企業活動」は、それぞれサイト接触による製品・サービス、企業活動(事業活動・技術や取り組み)への意識変化を測定する指標となる。
■一般企業サイト編は、「ファミリーマート」が初のトップ。第2位は「ヤマト運輸」、第3位は「マクドナルド公式サイト」
一般企業サイト(インターネット専業企業サイトを除く)のトップ3は、「ファミリーマート」「ヤマト運輸」「マクドナルド公式サイト」となった(図表2)。
「ファミリーマート」はWBIが78.0ポイントで、前回の67.2ポイントから10.8ポイント増。6つの個別評価指標すべてでスコアが上昇した(図表3)。「サイト・ユーザビリティ」が78.2ポイント、「態度変容:製品・サービス」が74.9ポイントと、それぞれ高い評価を獲得している。自由意見では、好印象を持ったコンテンツとして、新商品情報やキャンペーンに関する記述が多く見られた。
第2位の「ヤマト運輸」も6つの個別指標すべての評価が前回を上回る(図表4)。中でも、サイトイメージを測る「サイト・ロイヤルティ」は85.2ポイントで、500サイト中5番目のスコアを獲得した。また、自由意見では荷物の発送、受取に関わるサービスに対する利便性の評価が高かった。さらに、EV(電気自動車)導入など「カーボンニュートラル配送」の情報に対する関心の高さもうかがえる。
第3位の「マクドナルド公式サイト」は、「行動喚起」と「サイト・ロイヤルティ」のスコアが前回を上回った。サイト上の期間限定商品やクーポンなどの情報発信が、購入につながっていると見られる。
■スコア上昇サイトは、「カルピス」「マネックス証券」「ワークマン公式サイト」がトップ3
前回から今回にかけてスコアが大きく上昇したサイトのトップ3は「カルピス」「マネックス証券」「ワークマン公式サイト」となった(図表5)。「カルピス」は前回(第250位)から14.3ポイント増の62.5ポイントで第46位となった。また、「マネックス証券」は前回(第491位)から12.1ポイント増の47.6ポイントで第275位、「ワークマン公式サイト」は前回(第255位)から12.1ポイント増の60.2ポイント(第66位)となった。
「カルピス」はWBIを構成する6つの個別指標全て前回を上回った。トップページは前回から大きく変わっていないものの、「態度変容:企業活動」のスコアが前回から20.1ポイント増の65.0ポイント、また「行動喚起」のスコアが前回から14.0ポイント増の57.1ポイントと、それぞれ上昇した。
「マネックス証券」についても、6つの指標全てでスコアが上昇しWBIを押し上げた。特に「態度変容:企業活動」や「サイト・ユーザビリティ」の上昇幅が大きい。自由意見では、サイトデザインの見やすさや投資初心者向けのコンテンツへの評価が高い結果となった。
「ワークマン公式サイト」も6つの指標とも前回を上回り、特に「態度変容:企業活動」の上昇が目立った。好印象を持ったコンテンツに関する自由意見では、商品情報だけではなく、サステナビリティの取り組みへの言及が見られた。
■企業活動への理解、関心などの意識変化を測る「態度変容:企業活動」TOP3は、「トヨタ自動車」
「大塚製薬」「トヨタ自動車 公式企業サイト」「富士フイルムビジネスイノベーション」
Webブランド調査のノミネートサイトにおいては、サステナビリティや社会貢献活動など、企業としてのさまざまな取り組みの発信を強化するサイトが増加している。本調査で企業活動訴求の評価指標となる「態度変容:企業活動」で高いスコアを獲得したサイトを見ると、第1位が「トヨタ自動車」、第2位は「大塚製薬」、第3位は同率で「トヨタ自動車 公式企業サイト」「富士フイルムビジネスイノベーション」となった(図表6)。
「トヨタ自動車」「トヨタ自動車 公式企業サイト」はそれぞれ商品情報サイト、企業情報サイトとなるが、いずれも企業活動訴求について高評価を獲得した。企業の取り組みに関する情報発信だけでなく、消費者のカーライフをサポートするコンテンツの提供なども企業に対する好感に影響していると考えられる。また、「大塚製薬」は研究開発のコンテンツへの関心が高く、社員へのインタビューなどを通じて研究内容や製品に対する思いが伝わるサイトとして、高評価を得ている。
近年の企業サイトにおけるサイトリニューアルの傾向として、IR・サステナビリティ・採用など企業情報の拡充、企業らしさの伝わるストーリーやメッセージ発信の強化を図るサイトが多く見られる。その中で、一般生活者の評価としても、企業のこれらの取り組みに対して関心度が高まっている状況と考えられる。
企業サイトの情報発信が変わっていく中で、一般生活者のサイトの見方や評価も今後一層、変化していく可能性がある。マーケティングや広報活動におけるサイトの貢献度を本調査で確認し、顧客接点の改善やブランド力の強化に、ぜひ役立ていただきたい。
※ランキング表中のサイト名表記は、トップページのタイトルによるサイトの正式名称。
日経BPコンサルティング:日経BP全額出資の「調査・コンサルティング」「企画・編集」「制作」など、コンサルティング、コンテンツ関連のマーケティング・ソリューション提供企業。(2002年3月1日設立。資本金9,000万円)
■Webブランド調査について
調査目的 : Webサイトのブランド力を測定し、
企業や団体のWebにおけるブランド・コミュニケーション
戦略の成果を定点観測する
調査手法 : インターネット調査
調査対象 : 全国、20歳以上のインターネット・ユーザー
(日経BPコンサルティングの提携調査会社の調査モニター)
有効回答数 : 36,962件
調査対象ブランド: 企業や団体が運営する日本の主要500サイト
調査実施期間 : 2024年10月11日(金)~2024年10月21日(月)
※半年ごとに年2回実施(春夏:4月、秋冬:10月)
調査企画・実施 : 株式会社日経BPコンサルティング
URL : https://consult.nikkeibp.co.jp/branding/solutions/web-brand/