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重量長尺資材建て起こし装置を開発 - 重量角パイプ施工の効率化と安全性向上を目指す -



写真1:建て起こし装置


写真2:角パイプの建て起こし状況


写真3:建て起こし治具


写真4:角パイプの固縛装置(締付け状況)

安藤ハザマ(本社:東京都港区、社長:国谷 一彦)と株式会社カナモト(本社:北海道札幌市、社長:金本 哲男)は共同で、建築工事における物流倉庫の間仕切り壁などに使用する重量長尺資材(角パイプ)建て起こし装置を共同開発しました(写真1、2)。この「建て起こし装置」を使用することで、作業時間の短縮、作業員の削減による生産性向上と危険作業の低減による安全性の向上を実現します。

画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/354764/LL_img_354764_1.jpg
写真1:建て起こし装置
画像2: https://www.atpress.ne.jp/releases/354764/LL_img_354764_2.jpg
写真2:角パイプの建て起こし状況

1. 開発の背景
建設業界では、技能労働者の減少と高齢化が進んでいる中で、生産性の向上だけではなく危険作業や苦渋作業の削減も課題となっています。
近年、Eコマース市場の拡大に伴い、物流倉庫の新設が堅調ですが、物流倉庫の建設においては、法令で2,500N/m2の荷重に耐えられる壁の強度が必要と定められており、壁の下地材として鋼製の角パイプを使用することがあります。角パイプは長さが6mから8m、重量が1本あたり60kgから100kgを超える場合もあり、建て起こし作業や取付位置までの移動など作業効率が悪く、また危険を伴う作業となっています。
現在の施工方法は、高所作業車に搭乗している作業員(1名)が角パイプを抱えながら上昇し、建て起こした角パイプを高所作業車下部床面の作業員(2~3名)とタイミングを合わせながら持ち上げ、施工位置まで移動させています。これらの作業は肉体的負担が大きいだけではなく、高所作業車の転倒や角パイプの脱落・落下の危険を伴います。天井や梁にチェーンブロックを設置して建て起こす方法もありますが、建て起こしに時間がかかる上、頻繁に設置場所を変更する必要があり、作業効率の低さが課題となっています。


2. 装置の概要と効果
・物流倉庫建設現場などで壁や天井を施工する際に使用する自走式シザース型の「高所作業車」をベース機とし、上昇時地上高6mと8mの機種で開発しています(注1)。角パイプは寸法が縦100mm×横100mm、最長8m、最大重量105kgまで対応可能です。
・高所作業車に角パイプの建て起こし治具を装着しています(写真3)。治具は、高所作業車と治具を連結するためのプレート、角パイプの固縛装置、プレートと固縛装置を連結するワイヤーで構成されます。
・「固縛装置」は、角パイプの周囲(4面)を鉄製の枠で囲み、締付け部のボルトをインパクトレンチで締め付けることで固縛します(写真4)。なお、枠の内側にはゴムを貼付し、角パイプの脱落を防止しています。

画像3: https://www.atpress.ne.jp/releases/354764/LL_img_354764_3.jpg
写真3:建て起こし治具
画像4: https://www.atpress.ne.jp/releases/354764/LL_img_354764_4.jpg
写真4:角パイプの固縛装置(締付け状況)

固縛装置に固縛した角パイプは、高所作業車を上昇させることで建て起こされる仕組みとなっているため、従来に比べ、角パイプの脱落・落下リスクと作業員の肉体的負担を大きく低減することが可能です。また、高所作業車に搭乗している作業員1名と床面の作業員1人で作業が可能なため、作業員を1~2名削減することができます(写真2)。


3. 今後の展開
今後は、現場試行で実作業における課題を抽出し、装置・治具の改良を重ね、作業効率および安全性のさらなる向上を図ります。


(注1) 本リリース時点では、治具が取り付けられる高所作業車は特定の機種に限定
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