ケッペンの気候区分図
ケッペン温帯図
温帯と小麦分布
学習地図ライブラリ主題図版仕様
【新しいデジタル主題図】
地理の教科書には、特定のテーマをわかりやすく説明するために「主題図」と呼ばれる地図が使われています。次のような地図は、「ケッペンの気候区分図」と呼ばれる典型的な主題図の一つです。
画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/350669/LL_img_350669_1.png
ケッペンの気候区分図
こうした主題図は、特定のテーマを生徒に理解させるには有効なものです。しかし、冊子の教科書は紙幅の制限があるので、1枚の地図にたくさんの情報を盛り込む傾向があります。たとえば、この気候区分図には、AfからETまで13ある気候区分が、1枚の地図で表現されています。
「学習地図主題図版」は、この主題図をデジタル化して、使いやすくしたものです。その仕組みは、次図に示すように、既存の主題図をいったん地図を構成する要素(以下では、「レイヤー」と呼びます)に分解します。たとえば、紙の主題図では一度に全部の気候区分が表示されていましたが、それを要素に分解することによって、温帯レイヤー(Cs、Cw、Cfa、Cfb)だけを選んで地図上に表示することができ、どの地域が温帯に含まれるのかわかりやすく表現できます。
画像2: https://www.atpress.ne.jp/releases/350669/LL_img_350669_2.png
ケッペン温帯図
【「学習地図主題図版」の教材としてのアドバンテージ】
「学習地図主題図版」の特徴は、それだけにとどまりません。各主題図をバラバラに分解したレイヤーを、その出自に関わらず、主題図をまたいで新しい組み合わせで地図を作ることができるところに最大の特徴があります。たとえば、下図は気候区分の主題図から取り出した温帯レイヤーに、小麦の生産量を点(1ドットが2万トン)で表現したドットマップを重ねたものです。
画像3: https://www.atpress.ne.jp/releases/350669/LL_img_350669_3.png
温帯と小麦分布
この主題図を見ると、小麦生産の分布は、主に温帯(Cfb、Cs)に広がっています。しかし、よく見ると、それ以外の気候の地域にも栽培が広がっています。たとえば、黒海の北にも大きな栽培分布の塊があります。ここは、気候帯としては冷帯湿潤気候(Df)です。国でいうとウクライナを中心とした地域です。
なぜ、わざわざ寒いところで小麦を作っているのでしょうか。
授業の展開としては、先の小さな「なぜ」をきっかけに、気候と小麦の種類の関係(とくに、季節による降雨量の変化との関係や他の栽培植物との対比)、栽培に適した土壌などに生徒の関心を広げていくことができます。植物の生態、土壌、栽培の歴史や方法、経済的な要因などについて、生徒たちが自分で仮説をたてて調査をし、「学習地図主題図版」を活用して新しい主題図を作る。これを繰り返すことによって、自然に「主体的・対話的で深い学び」が実現できるのです。
【こんなわかりやすい地図がほしかった!】
「学習地図主題図版」のコンテンツ開発にあたっては、実際に高校の授業で使っていただき、先生からの要望や生徒たちの感想・意見を積極的に取り込みました。とくに、地図の見やすさについては、さまざまなご要望に対応し、改良を重ねました。
以下は、開発にご協力いただいた方の実際の声です。
教師からの声
「地図情報を瞬時に切り替えることができたため、かなりの時間短縮になった」
生徒たちの声
「宗教分布図で、キリスト教は赤色、仏教は黄色系統でまとめてあってわかりやすい」
「地図むちゃわかりやすかったです^^」
「とても見やすかった。色で分けられていてわかりやすい」
「状況がつかみやすかった」
「学習地図主題図版」は、学習コストの高いGISを使わずとも、生徒たち自身で簡単に新しい主題図を作ることができます。その結果として、生徒たちの地理的理解を、自然に深めることができるのです。「ジャパンナレッジSchool」の新しい「学習地図ライブラリ」にぜひご期待ください。
【「日本/世界学習地図ライブラリ 主題図版」仕様】
画像4: https://www.atpress.ne.jp/releases/350669/LL_img_350669_4.png
学習地図ライブラリ主題図版仕様
※複数レイヤーを1つにまとめたものがあります。
※系統地理に関しては、世界、日本それぞれ、ほぼ一通りの地図がそろっています。地誌については、今後充実させていく予定です。
※あたらしく作った主題図は、URLを使って共有することもできます。
コンテンツ提供:平凡社地図出版
【平凡社地図出版について】
平凡社地図出版は、地図制作専門の出版社です。平凡社が独自に地図制作を行うようになったのは、1954年に世界大百科事典の地図制作のために日本地図研究所を創設したころであるため、この事業を継承した平凡社地図出版は、地図の制作に関しては70年近い歴史を有しています。現在では平凡社の各種地図帳や地図の制作をはじめ、多くの出版社の地図や地図帳、学校の教科書地図帳や各種教科書の地図、さらに各種電子地図まで、多種多様な地図の制作を行っています。
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