<レイデルリサーチ研究所と発表論文>
<パラオキソナーゼ(PON)の抗酸化力>
<HDL2のサイズを示す透過型電子顕微鏡(TEM)像と面積分析>
<上原吉就氏 福岡大学スポーツ科学部/福岡大学病院 予防・抗加齢・再生医療センター 教授/医学博士>
健康寿命に深く影響すると言われる「コレステロール」は、「悪玉コレステロール(以下、LDL)」が注目される傾向にありますが、重要なのは「善玉コレステロール(以下、HDL)の質」と「LDLとHDLの比率」であるという研究結果が発表されています。
この度、本研究所は、体の健康に大切な善玉コレステロールと運動不足の関係を検証。代謝の低下・運動量減少・更年期障害などで高血圧による健康リスクが急増する中年期女性(50歳前後)を、運動強度・頻度・時間により3グループに分けて比較し、善玉コレステロールの差を分析しました。
レイデルは今後も、30年以上にわたる研究・開発・技術を生かし、より多くの人の健康と質の高い生活に貢献していきます。
画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/344383/LL_img_344383_1.jpg
<レイデルリサーチ研究所と発表論文>
◆【研究結果概要】運動が「善玉コレステロール」の量・質を改善する有意データ、世界初の研究発表
本研究は、コレステロールを軸に医薬品などの研究・開発を行うレイデルリサーチ研究所(RAYDEL Research Institute)が、日常的な運動と善玉コレステロールの関係を分析したものです。高血圧による健康リスクが急増する中年期女性(50歳前後)において、定期的・習慣的な運動によりHDLの質が改善される有意データを示した世界で初めての報告となり、データの活用が今後も期待されます。
<論文名>
「中年期女性を対象とした、運動習慣による『善玉コレステロール』の量的・質的変化」(2023年1月6日発表)
<論文URL>
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36674667/
<研究対象>
・対象者:中年期女性(50歳前後)、57人
<研究内容>
・運動強度・頻度・時間によって3グループに分類し、HDLを構成したり影響したりする複数の成分について量、質、サイズを比較分析
<研究結果>
・習慣的な運動が、HDL量の向上・機能性・抗酸化性・コレステロール排出能力を高めるという有意データが得られた
◆背景
(1) 高血圧の鍵を握るのは「悪玉コレステロール」だけでなく「善玉コレステロール」とその比率
世界的にも大きな健康へのリスクと言われ、日本で断トツに高い通院理由となっている高血圧(厚生労働省「国民生活基礎調査」による)に、深く関わるのがコレステロールであることは一般的に認知されています。
出典: https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa19/dl/04.pdf
一方で、多くの人は「コレステロール値が高いと健康に悪い」「悪玉コレステロールは悪者である」と認識していますが、研究結果として、高血圧の鍵を握るのはLDLだけでなく、HDL値、L/H比(LDLとHDLの比率)、HDLの質にあることが明らかになっています。
コレステロールは人体を構成する必須成分であり、LDLとHDLは、コレステロールを運ぶ運搬体です。この身体にとって必要なコレステロールおよびLDLとHDLの状態やバランスが崩れて血管内膜に蓄積すると、高血圧につながることが近年の研究では解明されました。さらに、血管内膜に蓄積されたコレステロールを肝臓に戻す役割を担うHDLは、数だけでなく、質(大きさ)で働きが大きく異なることも論文などで発表されています。
(2) コロナ禍で広がる運動不足問題とコレステロールの関係を解き明かす
昨今、コロナ禍によりテレワークが進み、運動不足が社会的な課題となっています。オフィスに行かずに家やコワーキングスペースで仕事をする人が増え、人々の生活は大きく変わりました。その大きな変化の一つとして、生活者の運動量と内容が挙げられます。職場までの移動のような日常的な有酸素運動の機会は、社会全体として大きく減少したと言われています。
中でも東京在住の女性においては、「職場への移動時間が減少したにも関わらず、家事・育児の負担が増えた(東京都「令和3年度男性の家事・育児参画状況実態調査報告書(令和3年11月)」による)データもあり、自主的に運動に費やす時間を確保することが難しく、結果として習慣的に運動ができない環境下にあることが想定されます。
今回の研究は、このようなコロナ禍で社会課題となっている運動不足とHDLの関係を解き明かすことを目的として実施されました。
(3) 高血圧の健康リスクが高まる中年期女性に焦点をあて、多方面で検証・分析
運動不足とHDLの関係を解き明かすために焦点を当てたのが、中年期の女性です。中年期女性は、新陳代謝率の低下、身体活動量の低下、女性ホルモンの変化、長期間の少量飲酒習慣など複数の要因が重なり、高血圧や動脈硬化などの健康被害のリスクが高まるとされています。
本研究では、血圧関連のリスクが課題視される中年期女性に焦点を当てて、研究・分析をすることとしました。
【研究結果】運動が「肝・筋肉障害パラメータ」「善玉」に有意に影響 ※一部抜粋
中年期女性を、運動強度・頻度・時間によって、座りがちなグループ(グループ1)、中強度のグループ(グループ2)、高強度のグループ(グループ3)に分類して、HDLを構成したり影響したりする複数の成分について、量、質、サイズを比較分析した結果、習慣的な運動が、HDL量の向上・機能性・抗酸化性・コレステロール排出能力を高めるという有意データが得られました。
1. HDLの抗酸化酵素で1.3倍の差
HDLの抗酸化作用に重要な役割を果たすと考えられている抗酸化酵素「パラオキソナーゼ(PON)」の抗酸化力を測定したところ、グループ3の平均値はグループ1の1.3倍の結果となりました。これにより、運動を高強度することにより、抗酸化力が1.3倍向上する結果が明らかになりました。
画像2: https://www.atpress.ne.jp/releases/344383/LL_img_344383_2.jpg
<パラオキソナーゼ(PON)の抗酸化力>
2. 抗動脈硬化性特性あり
レイデルリサーチ研究所は、60万倍まで拡大可能な世界最新モデルのTEM顕微鏡を使用。顕微鏡でHDLの質を測るサイズを比較したところ、結果として、高強度運動をしているグループ3の平均値は、グループ1の約2倍となりました。
画像3: https://www.atpress.ne.jp/releases/344383/LL_img_344383_3.jpg
<HDL2のサイズを示す透過型電子顕微鏡(TEM)像と面積分析>
上原吉就(うえはら・よしなり)教授「ファクトベースで運動と健康寿命の関係を活用する、非常に可能性ある検証結果」
画像4: https://www.atpress.ne.jp/releases/344383/LL_img_344383_4.jpg
<上原吉就氏 福岡大学スポーツ科学部/福岡大学病院 予防・抗加齢・再生医療センター 教授/医学博士>
私は、以前より、健康に被害を与える酸化したコレステロールを回収して動脈硬化を抑えるHDLは、医療分野で重要となるとして研究を重ねてきました。HDLの研究が進み、人類がこの成分にアプローチできるようになれば、世界的に医療に役立てる可能性が広がります。
この研究論文は、血圧リスクの高まる中年期女性と運動の関係性を、いくつもの因子で検証した画期的な内容となっています。単に「運動が重要だ」とうたうのではなく、ファクトベースで、なぜ、どのような運動が、どのくらい必要なのかを知ってもらうための貴重な資料となるでしょう。
発表された論文を含め、多くの方がHDLやL/H比が健康寿命に与える影響について知り、興味を持ってもらえると嬉しいです。HDLに関する、人々の健康や生活に役立つ研究結果が、これからも世の中に出ていくことを楽しみにしています。
【今後の展望】HDLの切り口から「あらゆる人に、より質の高い生活と健康を提供する」
本研究論文の発表は、健康寿命に関わるとされるHDLを研究・分析し、医療や健康に役立てるための活動の一環です。運動とHDLの分析を進め、一般の生活者の方々のために、商品やサービスという形で提供するきっかけとなれば幸いです。そのため、本データをレイデル研究所内にとどめるのではなく、公開することとしました。
レイデルは今後も「あらゆる人に、より質の高い生活と健康を提供する」ことをテーマに、30年以上にわたる研究・開発・技術を生かし、より多くの人の健康と質の高い生活に貢献していきます。
【株式会社レイデルジャパン】
「あらゆる人に、より質の高い生活と健康を提供する」ことを掲げ、30年以上にわたって研究開発を続けてきたヘルスケアブランドです。自然由来の成分にこだわり、研究で得られた知見を生かし、高品質の製品を開発しており、生み出した商品・サービスを創業国であるオーストラリアにとどまらず、韓国、日本など国境を超えて提供しています。
商号 : 株式会社レイデルジャパン
代表者 : 代表取締役 李ビョング
所在地 : 〒105-0012 東京都港区芝大門2-2-1-6F
設立 : 2018年4月
事業内容: 食品・健康補助食品及び医薬品等の研究、
企画開発、製造、卸、販売及び輸出入
資本金 : 2,886万6千円
URL : https://www.raydel.co.jp/
【レイデルリサーチ研究所/RAYDEL Research Institute(RRI)】
2021年に設立され、韓国に拠点がある研究所です。HDL-Cの上昇と酸化や糖化などのリポタンパク質修飾の阻害を介して、高脂血症、高血圧、認知症を治療するための新しい医薬品と機能性食品の研究開発を行っています。今後も人々の健康と長寿を可能にする新しい医薬品と機能性食品の開発をしていきます。