表紙
樹木は石油に替われるか
木の成分からできる工業製品と原料
木の3つの素材
詳細URL: http://biomass-to-love.com/
画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/305858/LL_img_305858_1.jpg
表紙
■「地球の未来木(key) ~分子レベルのリサイクル~」
もしも社会を後退させることなく、人間社会が持続的に発展することが可能だとしたら。
そのための仕組みは、地球環境の中にすでに存在しているのだとしたら。
この本では、地球システムと衝突しない人間社会を実現するための、計り知れない樹木の可能性について言及されています。
■発刊に至るまでの経緯
ゴミ問題、プラスチック公害、大気汚染、環境ホルモン、石油の枯渇、ダイオキシン、森林破壊…、最近マスコミをにぎわしている環境破壊に関するキーワードの一部です。これらを受けて、紙のリサイクル、ゴミの減量・分別、植林、低燃費車の開発などさまざまな解決策が論議されています。
資源・エネルギー、環境に関して全く無頓着であったほんの数年前までと比べると、大きな意識改革が起こりつつあるといえます。
しかしながら、これらの活動の延長線上に、明るい二十一世紀が見えてくるのでしょうか?これでいいのかな・・・と思いながら、とりあえず身近な分かりやすいことからやっていこう、これが現実の姿ではないのでしょうか。
目に見えない環境ホルモンから身近な紙に至るまで、論議の対象はさまざまですが、私がこれからお話したいことは、非常に身近でありながら、あまりにも巨大で計り知れない資源としての森林です。
生物が創り出す最大の構造物は樹木です。樹木によって構成される森林は、多様な生物が命をはぐくむすばらしい惑星「地球」の環境を形成する基礎となっている重要な資源です。さらに森林資源の寿命は生物界で最も長く、樹木としての生命を終えた後も、人間社会では材料として使われ、さらに長い年月を経て石炭、石油という化石資源にまで至る、重要な物質基礎資源でもあります。
そうです。森林は、地球環境のルーツであり、われわれ生物のルーツであり、さらにさまざまな有機資源のルーツでもあるのです。
『持続的発展』と『環境保全』は、私たち人類が二十一世紀を生きるための最重要課題です。これらを満足させる社会は、口先だけの環境論や場当たり的な資源利用、中途半端な材料~材料間のリサイクル、ゴミの減量といった後始末的なその場しのぎの活動によって決して構築されるものではありません。
必要なことは、まず自然界を理解することです。環境の基礎を構築するのは森林であり、すべての物質は物質循環システムの中に存在しています。そのような自然界のシステムの中に人間活動を組み込む具体的なテクノロジー(科学技術)を開発し、その技術を核として地球システムと衝突しない人間社会を構築していくことが必要なのです。
樹木はあまりにも身近です。そのためかえってその地球生態系における機能、意義などについて、時間をとって深く考えることはほとんどないのではないでしょうか。
さあ皆さん、私と一緒にミクロのサイズに体を縮め、樹木の細胞の中に入ってみましょう。細胞を形づくる素材と仲良くなりましょう。そして木の内部から地球を眺めてみましょう。
そこからは、今までと全く違った地球と、高度な技術に裏打ちされた明るい緑豊かな人類の未来が見えてくるでしょう。
(1999年 8月 舩岡 正光)
この一文は、1998年に三重県津市で開催された映画「地球交響曲」(龍村 仁監督)の上映会で、企画講座として行われた舩岡 正光氏(当時 三重大学教授)の講演記録を、「森の風プロジェクト」が1999年に書籍化した際の著者の序文です。
講演会を聴いて感動した津市の主婦、雨森 眞知子氏をはじめとする「森の風プロジェクト」のメンバーが、この感動と講演内容をその場に参加していた人たちだけのものにとどめておくのではなく、一人でもより多くの人たちに届けたい、という気持ちで、これを『夢ある未来の鍵は木~分子レベルのリサイクル~』という書籍にして出版しました。
2018年に彼女は他界しましたが、それまで、講演会の場やイベントなど、さまざまな場面でこの本は届けられ、多くの人々にその感動が伝わりました。私もその一人でした。これが難しい化学式だらけの書物だったなら、敷居が高すぎて敬遠していたかもしれません。当時としては珍しく化学の修士号(お茶の水女子大学大学院)を持っていた彼女は、できるだけ多くの人に分かりやすく伝わるようにという目線を忘れませんでした。地球上のすべての存在に意味がある、という愛情が伝わってくるような、彼女の描いた可愛いイラストも添えられています。
気候変動や環境問題など、まるで地球にヒトがいること自体が悪なのだ、という論調もあるなかで、この書物は「ヒトがいるからこその地球」という揺ぎ無い視点に立っています。
また、地球環境を保全するためには、人間活動を抑制しなければならない、という論調もあるなかで、この書物は「人間活動を後退させることなく、発展し続けるための具体的な道」を示してくれます。
「ほとんどの石油由来製品は、樹木から代替することができるかもしれないという」、計り知れない樹木の可能性についても言及しています。
あたかも、地球が意志をもってその道を準備し、ヒトがそれを見つけることを待ってくれているかのようです。
発展しつづけるために必要なものは、地球からすでに与えられているのかもしれない。
地球環境をかく乱はするけれど、現在の便利な社会をもたらした石油合成化学の技術にたどり着いていることすら、まるで予定調和のように感じられ、雷に打たれたように感動したことを、今もなお鮮明に覚えています。
石油系製品を生物系資源によって代替した製品、再生可能エネルギー、さまざまな環境配慮型技術の取り組みが活発化している現在でもなお、この書物は、地球の物質循環や、地球環境と衝突しない社会の在り方について、私たちに大切な視点をもたらしてくれる優れた入門書となっています。講演会から二十年以上が経過しても、その輝きは失われていません。
彼女が亡くなるとともに、「森の風プロジェクト」の活動は休止し、この書物は絶版となりました。
けれども、私は大きな感銘を受けたこの素晴らしい書物を、さらに多くの人たちに読んでもらいたいと願います。趣旨に賛同された雨森 弘行氏(元三重県立図書館長)と共に、原著者の舩岡氏の了承を得て、新たな情報を「第十一章 サイレントイノベーション」として加え、書名を『地球の未来木(Key)~分子レベルのリサイクル~』に改めました。クラウドファンディング「CAMPFIRE」等を通じ2021年12月に発行、来月2022年5月には電子書籍として発行いたします。
詳細URL: http://biomass-to-love.com/
木をはじめとする生物系資源から、定格的な工業製品を生産し続けることは難しい、という意見もあります。
それゆえに、現在の大量生産・消費型の資本主義社会の中では実を結ぶことが難しい、という意見もあります。
はたして実現可能なのでしょうか。
それとも夢物語なのでしょうか。
皆さまがどのようにお感じになられるのか。
読み終えた後、「夢物語で終わらせてはならない」。
きっとそうお感じになるのだと信じております。
ぜひ一人でも多くの方にお読みいただけますよう、願っております。
<目次>
一 人は森とどう付き合っている?
森林の二つの役割、
ハイテク製品の原料は石油、
石油資源はあと五十年、
水道の蛇口をしめるには
二 自然界のシステム
すべてはつながっている、
自然界では誰もが主役、
私は何からできている?
木になる気体、
こぼした水は拾えない、
気体を仕入れて個体をつくる、
森は壮大な化学工場、
ルーツをたどればすべては森に
三 石油は太古の森林資源
樹木五十歳、石油一億歳、
石油工業にはむだがない、
森林資源は使い捨て、
樹木は石油に替われるか
四 千年立ち続ける木の不思議
重い枝の支え方、
何千年も立ち続けるには、
水につかっても腐らない、
地震も平気な木の秘密
五 樹木をミクロの世界から見てみると
細胞のほとんどは死んでいる!
骨格がない樹木、
主な素材は三つだけ、
樹木の驚異のパワーはこれだ
六 ただものではない奴、リグニン
リグニンの秘密、
すぐにつながる活発な分子、
リグニンには手を出すな?
見方を変える、
主役は誰?
リグニンを中心において見れば
七 良い子はよい環境で育つ
良い子の育て方、
どの子も活かすー相分離系の話ー、
リグノフェノール誕生!
八 循環型材料を創る
分子スイッチの話、
樹木から望み通りの材料を
九 分子レベルのリサイクル
植物をまねてみる、
紙から木へのリサイクル、
CO2にする前に、
未来のシステム、そして今から
十 求める答えは樹の中に
人間がいてこそ地球、
環境すべてを受け入れて、
机も紙も未来の資源
十一 サイレント イノベーション
植物資源の滑らかな利用開発、
アクティブイノベーションからサイレントイノベーションへ
■書籍概要
タイトル : 「地球の未来木(key) ~分子レベルのリサイクル~」
著者 : 舩岡 正光
リニューアル日: 2021年12月15日
電子書籍 : 2022年5月発売予定
価格 : 1,100円(税込)
発行元 : 地球の未来木発行プロジェクト
販売サイト : amazon Kindle、楽天kobo、BOOK☆WALKER
URL : http://biomass-to-love.com/
■著者 舩岡 正光氏プロフィール
三重大学名誉教授。農学博士。
三重大学助手・助教授を経て1997年より教授。1987~1988年ミシガン工科大学、1990~1991年ニューヨーク州立大学客員教授。専門は、環境資源化学。
研究課題は、機能性リグニン系ポリマーの設計と合成、植物素材の構造変換と機能開発、植物素材をベースとした循環型複合材料の創製、植物素材の高度循環活用システムの構築。
夢は、すべての素材が完全に循環するシステムを築くこと。永続的に豊かな地球環境と豊かな人間生活の維持を実現したい。
趣味は、ドライブと水泳。
現在:経済産業省技術研究組合Lignophenol&Systems理事長
■会社概要
商号 : 地球の未来木発行プロジェクト 事務局
バイオマストゥラブ株式会社
代表者 : 代表取締役 椢原 友紀子
所在地 : 〒518-0433 三重県名張市つつじが丘北3-81-12
設立 : 2008年7月
事業内容: 各種バイオマスに関する調査、ハーブウォーター等の
各種自然製品企画販売、書籍販売、
企業向けデータベース保守管理・車関連各種調査業務等
資本金 : 300万円
URL : http://biomass-to-love.com/