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株式会社サンライン、低温プラズマを利用した「繊維製造技術の開発」が山口県知事賞を受賞



写真1.植物に照射しても焦げない低温プラズマ


写真2.指にも照射できる低温プラズマ


写真3.イチゴのプラズマ処理実験事例


写真4.水中の有機物分解の事例

釣糸等繊維の製造・販売を行う株式会社サンライン(所在地:山口県岩国市玖珂町1600-21、代表取締役:中野 郁夫)は、2021年10月1日(金)に山口県が主催する「第13回山口県産業技術振興奨励賞」において『大気圧低温プラズマを利用した繊維製造技術の開発』が山口県知事賞を受賞しました。

同技術開発は、大気圧低温プラズマを利用することで、低温処理かつ薬品を使用しないことで、人と自然にやさしい繊維製造プロセスを実現しました。

今後は、産業資材用繊維の高機能化・環境性能向上や、繊維製造で培った大気圧低温プラズマ技術を発展させることで、殺菌・抗菌化や植物工場への応用など新興分野への展開が期待されます。

画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/278427/LL_img_278427_1.jpg
写真1.植物に照射しても焦げない低温プラズマ

画像2: https://www.atpress.ne.jp/releases/278427/LL_img_278427_2.jpg
写真2.指にも照射できる低温プラズマ


(1)山口県産業技術振興奨励賞について
山口県産業技術振興奨励賞は、県内中小企業における県内産業振興に資する産学公連携等による優れた技術の研究開発と新規事業展開の取組を奨励するとともに、ものづくり技術を尊重する社会的機運を醸成することを目的とする奨励賞です。山口県から、産業支援機関等へ推薦依頼にのみによってエントリーされ、委員会が選考した企業等のうちから、知事及び理事長が受賞企業を決定します。山口県知事賞は、単独又は産産・産学・産学公連携による優れた技術を基にした事業活動により、県内産業振興への貢献が認められる県内に事業所を有する中小企業に表彰される賞です。

山口県産業技術振興奨励賞について(山口県 新産業振興課)
https://www.pref.yamaguchi.lg.jp/cms/a16900/gijutsu/hyousyo-pref.html


(2)受賞した技術と受賞のポイントについて
1.世界に先駆けた独自製品の開発
株式会社サンラインは、繊維状物質を表面処理する「大気圧低温プラズマ処理技術(プラズマライズ)」を開発しました。同技術はこれまで困難だった繊維状物質を、大気圧下で連続的に表面改質する技術です。この技術開発により、釣糸をはじめ繊維の親水化や耐久性向上、接着性向上等の高機能化が可能となりました。釣糸では、従来に比べ5倍以上の耐久性がある製品を販売するなど、世界に先駆けて他社にはない特徴を持った製品の開発に成功しています。

2.SDGsに対応したプロセス
プラズマライズは、SDGsに対応したプロセスで製品を製造しています。同技術は、低温処理かつ薬品を使用しない安全なプロセスであるため、SDGsの労働安全に関する項目「8.働きがいも経済成長も」、製造時のエネルギーや薬品使用量を削減するプロセスであるため、環境に配慮した項目「13.気候変動に具体的な対策を」に対応しています。そのため、従業員にも環境にも配慮した持続的な技術といえます。更に、同技術により高機能化した繊維は、従来のコーティングよりも耐久性や効果持続性に優れるため、釣りで発生するゴミの排出量を削減するなど、海洋保全に配慮した「14.海の豊かさを守ろう」に対応しています。

3.Withコロナ・Afterコロナに対応
プラズマライズ事業は、時代の変化に対応することができる事業です。
株式会社サンラインでは、これまで釣糸以外の製品を主力に成長させることが課題でした。同技術の応用展開により、大手企業からの受託実験や産業資材用製品の共同開発を多数引き受けており、環境に配慮した新プロセスの開発や、高機能性部材の受託加工や供給を開始しています。また、コロナ禍に対応した抗菌加工技術や抗菌商品の開発にも成功し、社内外に殺菌・抗菌加工したアルコール消毒液携帯用スプレーボトルを配布するなど、ニューノーマルにも対応しています。同事業では他にも、炭素繊維や高機能プラスチックなどの接着性向上や、高純度金属のクリーニング、プラズマ導入による液体中の有機物分解、植物の生育促進や食品の殺菌など、様々な分野に多用途展開しています。
このように、コロナ禍での即応力のある対応や、コロナ禍後やサステナブルを見据えた多角的展開を行っており、時代の変化に対応できる事業といえます。

画像3: https://www.atpress.ne.jp/releases/278427/LL_img_278427_3.jpg
写真3.イチゴのプラズマ処理実験事例

画像4: https://www.atpress.ne.jp/releases/278427/LL_img_278427_4.jpg
写真4.水中の有機物分解の事例

<写真4解説>
青色のメチレンブルー水溶液にプラズマを導入すると、溶液中のメチレンブルー(有機物)がプラズマによって分解されて無色透明に変化する


(3)大気圧低温プラズマ(プラズマライズ)の開発背景と経緯
ポリアミド(ナイロン)繊維やポリフッ化ビニリデン(フロロカーボン)繊維、超高分子量ポリエチレン(PE)繊維などの繊維は、柔らかくて耐摩耗性に優れ、高い強度を有するため、さまざまな産業資材用や釣糸等のレジャー用などに幅広く使用されています。釣糸用途では、撥水性や親水性、耐摩耗性、結束強度などの特性を付与する目的で、樹脂コーティングや薬品処理して使用されてきましたが、樹脂コーティングは乾燥工程に熱源を要することや、コーティングは水中に浸漬すると数時間程度で剥落する課題があり、薬品処理は工程の作業環境や水洗・廃液処理などの課題を抱えています。

プラズマ処理は、高い活性力を持つ活性種(プラズマ)を生成することで、高速かつ連続処理で繊維を表面改質する、従来の樹脂コーティングや薬品処理に代替する繊維製造方法です。

従来の繊維のプラズマ処理方法としては、繊維表面にプラズマガスを噴射して表面改質する方法が研究されていますが、工業的に実用化されたものはほとんどありませんでした。繊維は細長い形態を有するため、前記のプラズマガスを噴射する方法では、プラズマのごく一部しか繊維改質に有効に利用されないこと、均一な処理には繊維外周の多方向からの噴射が必要であること、また所望の表面改質効果を得るには一定箇所に長時間噴射し続けなければならないなど、高コストな処理方法でした。また、釣糸に用いられる繊維は、融点200℃前後の熱に弱い素材であり、高温のプラズマ処理やグライディングアークプラズマ(通称:コロナ処理)では容易に熱劣化するため、釣糸としての品質が担保できませんでした。

当社が開発したプラズマライズは、均一で高密度なプラズマ雰囲気中に繊維を導き、連続的に短時間で表面を均一にプラズマ処理することができます。また、処理時の温度を-90~150℃に制御することで、繊維の特性を損なうことなく表面改質することが可能です。(関連特許:特許第6224139号2017年10月13日登録、他)

プラズマライズにより製造した釣糸は、例えば、結束による表面処理層の剥がれが生じないため、結束強度が約40%向上しました。薬品処理を使用しないため製造工程の作業環境が改善し、同技術により高機能化した繊維は、従来のコーティングよりも耐久性や効果持続性に優れるため、釣り場で発生するゴミの排出量を削減することができました。

プラズマライズは、大気圧低温プラズマを利用して、繊維に耐久性に優れた撥水性や親水性など多様な特性を付与することができるため、釣糸分野のみならず様々な産業用途での利用が期待され、すでに多くの企業との共同開発や受託実験・受託生産を実施しています。

画像5: https://www.atpress.ne.jp/releases/278427/LL_img_278427_5.jpg
写真5.プラズマライズによって開発された釣糸製品1

(4)今後の展望
当社は、釣糸製造で培った技術を応用発展させることで、自動車などの移動体に使用される炭素繊維や、産業用の高機能プラスチックの接着性向上、高純度金属の精密クリーニング、高機能繊維の受託加工や供給、繊維以外の金属やプラスチックへの応用展開を開始しました。さらに、大気圧低温プラズマ導入による液体中の有機物分解・殺菌の処理プロセスや、農作物など植物の生育促進、生鮮食品の殺菌、医療・衛生分野への利用、宇宙分野への利用など、社会的意義の高い分野での用途開発に積極的に取り組み、新しいプロセスの開発や事業化が期待されています。


(5)特許一覧
・特許第6224139号 プラズマ処理装置(2017.10.13登録)
・特許第6948635号 糸およびその製造方法(2021.9.24登録)
・特許第6089378号 プラズマ処理装置(2017.2.17登録)
・特開第2018-171043号 釣糸
・特許第6867644号 糸の製造方法および釣り用糸(2021.4.13登録)



■会社概要
商号 :株式会社サンライン
代表者 :代表取締役 中野 郁夫
所在地 :〒742-0315 山口県岩国市玖珂町1600-21
設立 :1977年8月8日
事業内容:レジャー、水産、業務用釣糸の製造、加工、販売
産業資材用モノフィラメントの製造・加工・販売
各種釣具の仕入・販売
大気圧低温プラズマ技術の実験・開発・加工等
資本金 :9,600万円
URL :コーポレートサイト https://sunline.co.jp/
プラズマ事業サイト https://plasma.sunline.co.jp/


■本件に関するお客様からのお問い合わせ先
株式会社サンライン
お問い合わせフォーム(ホームページ): https://sunline.co.jp/contactus/
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