補聴器での音楽体験を72%向上させる新プログラムを発表
図1
補聴器をアプリで操作
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補聴器での音楽体験を72%向上させる新プログラムを発表
◆開発までの背景
音楽を補聴器で楽しむために、これまでも様々な取り組みがなされてきました。しかし、補聴器ユーザーの中には、かつての様に音楽を楽しむことが難しい方も少なくないのが事実です。音楽は、会話音声と比較して周波数範囲と音の強弱の変化がはるかに大きく(下図1)、急激な音の変化も含まれます。*3 そのため音楽を処理するには、会話音の聞き取りに焦点をあてた従来の音声処理では対応が難しいことがありました。
図1:人間の可聴域の周波数-強度を音声と音楽の領域にプロットして視覚化したもの。画像はLimb(2010)より引用。
画像2: https://www.atpress.ne.jp/releases/276179/LL_img_276179_2.jpg
図1
会話の聞き取りに最適化された補聴器では、楽曲が持つダイナミクス(強・弱)をそのままに再現することは困難でした。騒音やハウリングを抑えことばの聞き取りを高める機能が、楽器の音に反応し予期せぬ音の抑制につながることもありました。これは会話や社会的活動の上では最適化された信号処理方法でも、自然な音楽体験に必ずしも適するとは限らないことを示しています。
◆新音楽プログラムMyMusicが優れている理由とその評価
これまでも補聴器のための音楽用プログラムはありましたが、オーティコン モアでの技術革新を基に、長年にわたる音楽と聴覚の研究成果、近年発表された補聴器を音楽のために調整する際の一般的な推奨事項、さらに高度なハイファイ音響機器(ハイファイ・オーディオ)開発の現場で広く採用されている手法などを加味し、新たな視点からMyMusicの開発に取り組みました。*4*5
MyMusicの開発ではすべての段階で徹底的にテストを行っています。様々な難聴と音楽への関わりを持つ補聴器ユーザーが参加して行われた最終テストでは、難聴者が日常的に接する音楽について、3つのシーンに分類し評価テストを行いました。
・シーン1「ライブ音楽」:コーラスやロックの生コンサートの臨場感を再現
・シーン2「ステレオ音楽」:ステレオスピーカーからクラシックやポップ音楽が流れる一般的な自宅での音楽鑑賞を再現
・シーン3「ストリーミング音楽」:電車の中やカフェなど、にぎやかな環境下でiPhoneから補聴器への直接ストリーミングされた音楽やポッドキャストを聴く場面を再現
3つのシーンでの音楽の聞き取りにおいてMyMusicは、従来の音楽プラグラムと比較して、72%高い評価を得ました。*6
◆MyMusicと補聴器プログラム
MyMusicを含む補聴器プログラムの設定は補聴器販売店、クリニックなどで、補聴器専門家による設定が必要です。補聴器プログラムは、補聴器本体、リモートコントロール、スマートフォンの「オーティコンONアプリ」などの併用で、必要なタイミングで切り替えいただけます。
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補聴器をアプリで操作
Oticon MyMusicのリリースにあたり、オーティコン補聴器、プレジデント 木下 聡は次のように述べています。
「補聴器で音楽の自然な音色や豊かな音を楽しむことは、様々な取り組みがあったにもかかわらず、まだ解決できていない課題の一つでした。MyMusicの登場で、Oticon Moreのユーザーは、ライブやご自宅のオーディオ機器で、またストリーミングでも上質な音楽を体感いただけるようになります。人はなぜ音楽を聴くのでしょうか、いくつかの研究では、心を和らげリラックスするためだけではなく、感情のコントロールに音楽を活用する人が多いことが示されています。また、音楽は人間の幸福に欠かせないアイデンティティ(自己同一性)や社会への帰属意識にも影響を与えることが明らかになっています。*7 オーティコンでは、聞こえの問題にとらわれることなく音楽を楽しむ機会の創出にも取り組んでいます。」
◆オーティコンユーザーを「オーティコンみみともチャリティコンサート2021」ライブ配信にご招待!
オーティコンは、新たな音楽プログラムMyMusicの発表とともに、多くの補聴器ユーザーに音楽体験を体感いただくべく、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団前コンサートマスター、ダニエル・ゲーデ氏率いる「メランデ・ピアノ三重奏団」を迎え、11月5日19:00~から開催の「みみともチャリティコンサート」のオンライン配信へご招待します。お申込み方法は、9月22日公開予定の専用ページ( https://www.oticon.co.jp/event/concert )を参照ください。またはお買い上げの販売店を通じてもお申込み可能です。ご使用中の補聴器がオーティコン モアであれば、ぜひこの機会にMyMusicでオーティコン史上最上の新たな音楽体験を実感ください。
※販売店での対面またはリモートケアによる遠隔での事前のプログラム設定が必要です。詳しくはお買い上げの補聴器販売店へお問い合わせ下さい。
▼本リリース掲載サイト
https://www.oticon.co.jp/about/press/center/press-releases/2021/20210921
▼本リリース関連ページ
https://www.oticon.co.jp/hearing-aid-users/hearing-aids/products/more#mmc
▼オーティコン補聴器ホームページ
https://www.oticon.co.jp/
*1 世界初(DNN を搭載した補聴器)は2020年11月末時点です。
*2 Santurette, S. & Behrens, T. 2020. The audiology of Oticon More. Oticon Whitepaper.
*3 Chasin and Russo 2004
*4 Crook,Greasley,& Beeston,2018;Crook,Beeston,& Greasley,
*5 Olive,Welti,&McMullin2013b;Olive,Welti,&Khonsaripour,2016;Olive,Khonsaripour,&Welti,2018;Jaakkopasanen,2019 ハーマンターゲットと呼ばれる基準曲線は、インルーム(ルームコレクションシステム用)、またインイヤー、オンイヤー、オーバーイヤーーの各ヘッドフォン用に作成されている
*6 Man B.K.L., Garnaes M.F.,Kjeldal R., Sorup Yssing M., Love S (2021). Oticon MyMusicClinical Evidence. OticonWP.
*7 Laukka, 2006
■オーティコン補聴器について
補聴器業界におけるパイオニアであるオーティコン社(Oticon A/S)は、デンマークを本社とする世界的な企業で、16,000人以上の従業員を有するデマントグループの傘下にあります。日本市場においては1973年より製品の製造・販売を行っています( https://www.oticon.co.jp )。
オーティコンの新しい企業理念「Life-changing technology(ライフチェンジング テクノロジー)」とは、「難聴による制限のない世界、補聴器が難聴者の生活に溶け込み、難聴により引き起こされる健康リスクを抑えながら、その人らしく充実した人生を送る手助けとなれるよう、常に最も革新的な補聴器開発をおこなっていくこと」です。
オーティコンは先進のノンリニア補聴器、フルデジタル補聴器および人工知能補聴器を開発し、革新的な技術を開拓してきました。また、脳から聞こえを考える、「BrainHearing(TM)(ブレインヒアリング)」を補聴器開発の原点に置いています。
先進技術とオージオロジー(聴覚学)を研究するエリクスホルム研究センター(デンマーク)において、約13,000人以上のテストユーザーと世界中から参集した様々な分野の科学者と共に、軽度から高重度、子供用から大人用まで、あらゆる難聴に対応できるよう、常に最先端で革新的な補聴器の開発・製造を行っております。
■デマントグループについて
デマントは、117年前にデンマークのオデンセで補聴器の輸入商から始まり、のちに補聴器の製造や診断機器、人工内耳事業へと参入していきました。現在、聴覚ヘルスケアにおける全ての分野をカバーする世界唯一の企業として、世界130か国以上でビジネスを展開しています。ビジネス領域ごとの売り上げ比率では、補聴器事業が全体の87%を占めており、その他、人工内耳事業4%、診断機器事業が9%を占めています。中核となる補聴器事業ではオーティコン、フィリップス、バーナフォン、ソニックなど複数のブランドを展開しています。また、デマントはウィリアム・デマント財団が所有し、世界で唯一の慈善財団が所有する聴覚ヘルスケア企業です。
全デマントグループ16,000人の従業員とともに、聴覚ヘルスケアや聞こえの改善の研究、製品開発を行っています。
▼オーティコン製品に関する資料請求・お問い合わせ
フリーダイヤル:0120-113321
営業時間9:30~17:30(土、日、祝日を除く)
◆その他、詳細は当社ホームページ https://www.oticon.co.jp/ をご覧ください。