桜の花出版 株式会社(東京都、以下「当社」)は、5月17日「高血圧の日」を前に、5月11日、高血圧治療で高名な市原淳弘教授(東京女子医科大学病院 高血圧・内分泌内科)にインタビューを行ない高血圧治療の最新情報を公開しました。
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インタビュー概要
当社発行『名医ランキング』のための取材を行ないました。
今回のインタビュー結果から「高血圧の患者さんの10 人に1 人くらいは、原因がホルモン異常によるもので、治る可能性がある」ということがわかりました。
ほとんどの患者さんが検査を行なわないで治療を開始しているのが現状ですが、高血圧の治療前には、ホルモン検査や動脈硬化のチェックが必須です。
名医にインタビュー 市原淳弘教授 東京女子医科大学病院 高血圧・内分泌内科
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東京女子医科大学病院 高血圧・内分泌内科の市原淳弘教授は、高血圧という症状を内分泌疾患に位置付けて、「管理する」から「治療する」ため、世界を先導する攻めの医療を展開しています。
【受賞歴】
平成9年 米国生理学会賞
平成9年 米国Tulane大学リサーチフェロー最優秀研究賞
平成10年 J Walter Libby賞(米国心臓学会)
平成11年 若手研究奨励賞(米大陸高血圧学会)
平成16年 Hypertension Research Novartis Award(日本高血圧学会)
平成18年 Renin Academy Award(国際高血圧学会)
平成23年 慶應医学賞医学研究奨励賞
市原淳弘教授に、インタビューしました。
編集部―高血圧の患者さんに動脈硬化の検査をすると伺いました。
【市原教授】―CAVI(心臓足首血管指数)、FMD(血流介在血管拡張反応)、AI(中心血圧)、頸動脈エコーですね。これを初診の時に検査します。高血圧も糖尿病も高脂血症も、その結果として動脈硬化が起きて、最終的に脳卒中、心筋梗塞を発症します。ですので、重要視すべき問題は、コレステロール値が高いことや血圧値が高いことではありません。それらによって将来、脳卒中、心筋梗塞が起きることが最も肝心な問題なのです。つまり、現在自分の血管がどこまで脳卒中や心筋梗塞になるような危険な状態に近づいているのかということを調査し、そこを出発点としていかに血管の状態を良くしていくかが大切なのです。これ以上動脈硬化が進まないことを目的として、そのための血圧コントロールをどうするかが重要なのです。何のために治療するのかという目標を明確に意識してください。血管を見てまだ何の動脈硬化も起きていない場合には、私は降圧薬を処方せず生活習慣の改善を徹底する方針にしています。
編集部―10人に1人くらいは、治る高血圧かもしれないというのは驚きです。
【市原教授】―二次性の高血圧の患者さんで意外に多いのが、内分泌の病気によって起きるホルモン異常が原因の高血圧です。ですので、治療を始める前にはホルモン検査を行なって頂きたいと思います。大体10人に1人の割合で、検査で異常が見つかります。このような高血圧は、治療によって完治できる可能性があるのです。血圧を上昇させるホルモンはいろいろありますが、最も頻度が多いのが副腎という臓器から分泌されるアルドステロンというホルモンで、病気の名前は原発性アルドステロン症です。他に、カテコラミン、コルチゾール、成長ホルモン、甲状腺ホルモン、副甲状腺ホルモンの異常によって血圧が上昇する人もいます。原発性アルドステロン症では、ホルモン異常の原因部位はどこかを突き止めます。例えば右の副腎の外側脚から多く出ているということがわかったら、腹腔鏡手術でその部分を切除します。約1週間の入院で終わります。比較的早期ならば、完全に薬が要らなくなります。大きな病院でなくクリニックでも、ホルモン検査を行なってくれる病院はあります。
編集部―課題は?
【市原教授】―日本には約4000万人の高血圧の患者さんがいて、約2000万人がどこにも受診せず放置しているといわれています。実際にはこの中から、脳卒中や心筋梗塞の患者さんがたくさん出ています。この2000万人をどうやって救うかというのが今後の課題で、その対策の一つとして「オンライン診療」の推進が検討されています。
取材について
【最新の高血圧治療】 市原 淳弘教授 東京女子医科大学病院 高血圧・内分泌内科 桜の花出版.pdf
: https://newscast.jp/attachments/13u4uvGgy5iR6GdVqNgn.pdf
高血圧治療のポイント
(1) 治る可能性のある高血圧は10人に1人くらい
(2) 治療開始前にホルモン検査や動脈硬化を検査する必要がある
(3) 高血圧専門医の受診がお勧め
(4) 手術で治る高血圧もある
(1) 治る可能性のある高血圧は10人に1人くらい
高血圧の患者さんの10 人に1 人くらいは、原因がホルモン異常によるもので、治療により治る可能性があります。
(2)治療開始前にホルモン検査や動脈硬化を検査する必要がある
高血圧の原因となるホルモン異常、動脈硬化の検査を行なう必要があります。近年ガイドラインでの血圧目標値は厳しくなりましたが、皆が同じように下げた方が良いのではなく、動脈硬化の度合いで個別に治療を行なうべきだと考えます。
(3)高血圧専門医の受診がお勧め
日本高血圧学会が認定する高血圧専門医がいる病院への受診がお勧めです。https://www.jpnsh.jp/general_specialties.html
(4) 手術で治る高血圧もある
高血圧の原因の一つに、原発性アルドステロン症があります。副腎からアルドステロンが過剰分泌される病気です。原発性アルドステロン症では、ホルモン異常の原因部位はどこかを突き止めます。例えば右の副腎の外側脚から多く出ているということが判明したら、腹腔鏡手術でその部分を切除します。約1週間の入院で終わります。比較的早期ならば、完全に薬が要らなくなります。同疾患の高血圧患者さんに占める割合は、5%程度と考えられています。
主治医を選ぶことは寿命を選ぶこと
当社では、一切忖度なしの『名医ランキング』を発行しています。本書は、患者視点の本であり、医師をランキングする画期的な試みです。2016 年版、2018 年版に続き、『国民のための名医ランキング 2021~2023―いざという時の頼れる医師ガイド 全国名医 1045 人厳選』では、内科分野を充実させました。その中で、「高血圧」分野にも力を入れました。なぜなら、高血圧は、脳卒中や心筋梗塞など人生を台無しにするような大きな疾患につながるにもかかわらず、軽視している患者さんが多いからです。
またほとんどのケースで、ホルモン検査や動脈硬化の検査を行なわずに、血圧降下剤の服用が始まってしまっています。多くの患者さんが、検査の必要性を知りません。医師選びが、人生を決めると言っても過言ではありません。治療に注ぐエネルギーのごく一部を医師選びに使うだけで、治療効率は画期的に良くなります。
桜の花出版 株式会社
人としてどう生きるべきかーいつの時代も変わらない人類永遠のテーマです。
桜の花出版は、より良い医療と健康な生き方を提案する『国民のための名医ランキング』、歴史を知るための必読書である『シリーズ日本人の誇り「日本人はとても素敵だった」』『THE NEW KOREA』、『侘び然び幽玄のこころ』『タオと宇宙原理』など長く読み継がれる書籍の刊行を通じて、皆様の人生を豊かにする一助となれるよう願っています。
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