図1
図2
図3
図4
いま、この世代は大きく変化し、高齢社会を大きく変えようとしています。2年後には、国民全体の平均年齢が50歳に達し、4年後には団塊ジュニア(真正)もすべて50代以上となり、日本の人口構造が劇的に変化します。それ以上に生活者の意識と行動が変化しています。新型コロナウイルスはさらにその変化を加速させています。
●新大人緊急調査 2021/03/19~26 全国男女 1308s
●新大人調査 2020/06/11~13 全国男女 1864s
直近の“コロナ第三波の直下”、“第一波・第二波の間”の2つの調査からそのことを明らかにして行きます。
シニアは「人生下り坂」「終わった人」が常識で、コロナでますますその傾向が強くなるようなイメージがありますが、
(1) 40-70代はポストコロナ、ニューノーマルのなか「自分なりのライフスタイルを創りたい」が83%に達し、さらに強化されています。
(2) 「何歳になっても若々しく前向きでありたい」は83.9%と圧倒的。「コロナ後よりそう思う」はそのうち40.3%にもなります。
と常識とは180度異なり、中高年大人世代は大多数が「前向きに、これからライフスタイルを創りたい」と思っており、それはコロナで萎むどころか、コロナでますますその気持ちが強くなっています。閉塞状況にあるからこそ、といえます。
では、現在の40-70代中高年大人世代がどういう「ライフスタイルを創りたい」のか、
(3) 楽しみたいことは、夫婦二人も友人も、トップ2は「国内旅行」と「食べ歩き」。その後に「エンタテイメント」が続きます。
(4) 誰と楽しみたいかについて“エンタテイメントの同伴者”および“コミュニケーションを増やしたい相手”に共通するのは「夫婦」と「友人」、そしてエンタメ同伴者は「ひとり」そして「母娘」が続き、これらが子供独立後の人間関係といえます。
(5) ライフスタイルのベースとなるリフォームを実施および今後検討は合わせて37.2%と4割近くもあります。
このコロナ下でシニアはさらに萎んで行く、あるいは個人でこもるようにもとらえがちですが、
(6) ニューノーマルは中高年大人世代の自分たちかやらねば、という気持ちがあるといえそうです。(レポートII再掲)
<「人生下り坂」から「人生これから」へ~「これから自分なりのライフスタイルを創りたい」>
ポストコロナでシニアはますます人生下り坂になるのではと思いきや、180度逆で、中高年大人世代はコロナ後に「これから自分たちなりのライフスタイルを創りたい」と思っています。いままで、日本では欧州と比べ、なかなか「大人のライフスタイル」が見え難かった面がありますが、ニューノーマルを自分たちが担わねば、と思っているとすれば、これから「ニューノーマルな新しい大人のライフスタイルを創る」可能性があるといえます。
■ポストコロナ、ニューノーマルのなか「これから自分なりのライフスタイルを創りたい」は83.0%に達し、さらに強化。
「これから自分なりのライフスタイルを創りたい」は、年代別には、60代が86.4%ととくに高くなっています。これは60代で定年退職あるいはリタイアがあるため、これから創りたい、という気持ちになるからだ、と思われます。また、男女別では、女性が85.1%と高いといえます。これは育児を卒業し、家事も半分卒業気分があり、これから自分のライフスタイルを創りたいという気持ちになるからだ、といえます。
コロナ下の昨年6月も83.3%とほぼ同様の結果であり、かつ、「自分なりのライフスタイルを創りたい」のトップBOXが増加していることから、コロナでさらにその気持ちが強くなっている、とみることができます。
画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/257739/LL_img_257739_1.png
図1
■「何歳になっても若々しく前向きでありたい」は83.9%と圧倒的。「コロナ後はよりそう思う」はそのうち40.3%に。
「何歳になっても若々しく前向きでありたい」は年代的には70代が92.2%に達します。また、男女別には、女性が87.1%と高くなっています。
とくに、コロナ前よりコロナ後によりそう思うようになったは、全体で40.3%と4割がそう思っていて、コロナ下で、よりその意識が強くなっていることがわかります。
当研究所で「新しい大人」は、この8割に達する「何歳になっても若々しく前向きな大人でありたい」を定義としていますが、コロナ下でその傾向は、より強くなったといえます。
画像2: https://www.atpress.ne.jp/releases/257739/LL_img_257739_2.png
図2
■“エンタテイメントの同伴者”および“コミュニケーションを増やしたい相手”は「夫婦」「友人」そして「ひとり」と「(母)娘」。
「エンタテイメント(映画館、美術館、コンサートなど)」の同伴者は1位「夫婦」、2位「友人」、3位「ひとり」そして女性の4位は「娘」。コミュニケーションを増やしたい相手として、孫、子供は当然トップ2だが、その次が「夫婦」そして、親をはさんで、「友人・知人」が並んでいる。その「友人・知人」は、
・年齢を問わず価値観や考え方を共有できる友人・知人
・同世代のプライベートな友人 ~学生時代からの友人など~
・自分自室の趣味やスポーツなどを通じての友人・知人
の順になっています。
画像3: https://www.atpress.ne.jp/releases/257739/LL_img_257739_3.png
図3
■夫婦二人も友人も、楽しみたいことのトップ2は「国内旅行」と「食べ歩き」。その後に「エンタテイメント」が続きます。
夫婦二人で楽しみたいことは、
国内旅行/食べ歩き/海外旅行/日常の買物や食事/映画鑑賞/ショッピング/散歩ウォーキング/孫の世話/美術鑑賞/音楽鑑賞
友人と楽しみたいことは、
食べ歩き/国内旅行/スポーツ/カラオケ/海外旅行/映画鑑賞/音楽鑑賞/ショッピング/美術鑑賞
画像4: https://www.atpress.ne.jp/releases/257739/LL_img_257739_4.png
図4
■ライフスタイルのベースとなるリフォームを実施および今後検討は37.2%と4割近いといえます。
とくに、60代・70代が5割近くが実施およびこれから検討としています。これは要介護に備えた手すり増設・バスルーム改装も含まれるとみられますが、8割強がこれから自分なりのライフスタイルを創りたいと答えている(図1参照)ことからそれにとどまらず、「自分(たち)なりのライフスタイルを創るリフォームをしたい」意向があるといえます。
画像5: https://www.atpress.ne.jp/releases/257739/LL_img_257739_5.png
図5
■ニューノーマルを担うのは誰か/「自分たちがやらねば」という意識(レポートII調査結果の再掲)
ニューノーマルは「個人個人でするべきこと」が圧倒的1位で56.1%と半数を超えますが、2位は「中高年大人世代が率先して社会に広げていくべき」20.6%で「若い世代がとくに気をつけるべき」を上回っています。1位・2位の合計は、76.7%に達し、中高年大人世代は「自分が、あるいは自分たちがやらねば」という気持ちだとみられ、ニューノーマルのリード役として、今後、大いに期待できると思われます。
画像6: https://www.atpress.ne.jp/releases/257739/LL_img_257739_6.png
図6
<調査概要(1)>
調査対象 : 40~70代男女
対象エリア: 全国
対象者数 : 1308サンプル
調査手法 : インターネット調査
調査日時 : 2021年3月19日(金)~3月26日(金)
<調査概要(2)>
調査対象 : 40~70代男女
対象エリア: 1都3県(東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県)および
全国中小都市(首都圏、熊本市・岡山市以外の政令指定都市、
岩手県・宮城県・福島県を除く)
対象者数 : 1864サンプル
調査手法 : インターネット調査
調査日時 : 2020年6月11日(木)~6月13日(土)
■「人生100年時代 未来ビジョン研究所」(未来ビジョン研)について
「人生100年時代 未来ビジョン研究所」は、2020年4月に設立されました。高齢化がグローバルに進行するなか、世界諸国に先駆けて急速な高齢化の進展するわが国ですが、この人口構造の劇的変化に伴い社会構造も大きく変化して行きます。とりわけそのベースとなる40-70代の生活者の意識・行動が大きく変わろうとしています。これは企業のビジネスやマーケティングにも大きな影響を及ぼし、社会政策等にも大きな変化をもたらします。この中高年大人世代を「新しい大人」ととらえ、これまでにない、新たな時代の扉を多くの人たちや企業とともに開いて行く、そのための研究および事業開発を行っています。
<人生100年時代 未来ビジョン研究所ホームページ https://miraivision.net/ >
[所長プロフィール]
阪本 節郎
東京都出身。1975年早稲田大学商学部卒業。株式会社博報堂入社。プロモーション企画実務を経て、プロモーション数量管理モデル・対流通プログラム等の研究開発に従事。その後、商品開発および統合的な広告プロモーション展開実務に携わり、企業のソーシャルマーケティングの開発を理論と実践の両面から推進。2000年エルダービジネス推進室創設を推進。2011年春、発展的に「博報堂新しい大人文化研究所」を設立。2019年4月独立し、人生100年時代 未来ビジョン研究所を設立、現在、所長。
■著書
「巨大市場『エルダー』の誕生」(プレジデント社2003年7月、共著、2007年台湾版・2009年韓国版出版)
「団塊サードウェーブ」(弘文堂2006年1月、共著)「団塊の楽園」(弘文堂2007年2月、共著)
「50歳を超えたらもう年をとらない46の法則」(講談社α新書2014年9月)
「世代論の教科書」(東洋経済新報社2015年10月、共著)
「シニアマーケティングはなぜうまくいかないのか~新しい大人消費が日本を動かす」(日経新聞出版社2016年3月、2016年韓国版・2018年台湾版出版)
画像7: https://www.atpress.ne.jp/releases/257739/LL_img_257739_7.jpg
図7
■マスコミへのコメント・出演
日経・読売・朝日・産経・日経MJ・ビジネスアイ・日経ビジネス・アエラ・週刊朝日・ワシントンポスト・ウォルストリートジャーナル・M&Mヨーロッパ・CNN・NHK総・NHK教育・テレビ朝日他
<コラム連載執筆>
●日経MJ新聞「阪本節郎の『新大人』学」(2014.04-2017.03)
●日経新聞「読み解き現代消費」(2014.04-2017.12)
■エルダー関連の公官庁・マスコミ等の委員会委員
<これまでの経歴>
●総務省 高齢者障害者ICT利活用研究委員会
●厚生労働省 介護保険制度下におけるシルバーサービスの振興ビジョン調査研究事業研究委員会
団塊世代を活用した健康長寿のまちの展開方策に関する調査研究事業研究委員会
●静岡県 しずおかユニバーサルデザイン推進委員会
●互助会保証株式会社(経済産業省揚力)冠婚葬祭産業の中長期展望検討委員会
●日本BS放送 放送審議委員会
●高齢・障害者雇用支援機構「エルダー」編集アドバイザー会議委員
<参考資料>
人生100年時代 未来ビジョン研究所 これまでのレポート一覧
※これまでのレポートは、下記URLにてご覧いただけます。
http://www.h-hope.net/ (人生100年時代 未来ビジョン研究所WEBサイト)
【未来ビジョン研レポート】
No.1 「日本の感染者数の少なさは中高年“自己管理”パワー」」(2021.4.12)
No.2 「ポストコロナの経済回復は中高年大人世代の力」(2021.4.19)
No.3 コロナで、より「シニアと呼ばれても誰のこと?」(2021.4.26)
<お問い合わせ先>
Email: setsuo.sakamoto@miraivision.net