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全国の若者からアプリ・ゲーム・IoTデバイスのアイデアを募る「米百俵デジタルコンテスト2020」受賞作品を決定



米100DCのロゴマーク


グランプリ作品「なぞなぞソープ」


NaDeC BASEでのオンライン表彰式の様子


審査員:岡崎 智弘

ながおか・若者・しごと機構(新潟県・長岡市)は、2020年10月1日より全国の若者を対象に開催した「米百俵デジタルコンテスト2020」(略称:米100DC)の受賞者ならびに受賞作品を決定しました。

画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/251314/LL_img_251314_1.jpg
米100DCのロゴマーク

初開催となる今回は、テーマを「with KIDS」とし、子どもの遊び、学び、暮らしを豊かにするデジタルプロダクト(アプリ・ゲーム・IoTデバイス)のアイデアを募集しました。全国から128作品の応募があり、審査員による一次・二次審査で特別賞の5作品を、一次審査通過8作品を対象とした長岡市内小学生の投票でグランプリを決定し、2021年3月18日のオンライン表彰式にて発表しました。

栄えある第1回のグランプリは、コロナ禍で重要性が再認識された手洗いを楽しくするアイデアとして、古沢 菜月さん(長岡造形大学4年)の「なぞなぞソープ」が受賞。投票した小学生からは「手をいつもより長く洗えそう」「大好きななぞなぞをしながらみんなで楽しく手洗いができそう」と、幅広い学年の支持を集めました。

オンライン表彰式には、8作品の作者と審査員のほか、特別審査員を務めた長岡市長、河口 洋一郎氏も参加し行われました。受賞者には新潟県産杉にロゴを刻印したトロフィーと副賞、長岡花火をテーマとした記念品が贈呈されました。

以下に、受賞した8作品をお知らせします。
なお、米100DC特設サイトでは、全受賞作品の応募動画、講評など詳細を公開しています。ぜひご覧ください。
米100DC特設サイト: https://kome100dc.jp


■審査結果
・グランプリ 「なぞなぞソープ」 古沢 菜月(長岡造形大学)
・入選/技術賞 「顔バト」 田添 春樹(広島工業大学)釘田 尚弥(広島大学大学院)
・入選/表現賞/河口 洋一郎賞 「kimochi」 内山 昴(東海大学)山下 藍子(北海道大学)
・入選/持続可能性賞 「マイこめ」 嶋原 百香(和歌山大学)田中 桂央 (和歌山大学)河村 匠馬(和歌山大学)
・入選/長岡市長賞 「はっけん!てくてく隊」 中野 桜(女子美術大学)香山 千晴 (早稲田大学)福武 里佳(法政大学)石井 はる佳(女子美術大学)
・入選 「みんなでYARUZO!じかん」 三芳 日向子(東京造形大学)
・入選 「ココロぐっと」 清水 太陽(早稲田大学)
・入選 「これよも!」 金子 明日香(長岡造形大学)


■グランプリ作品紹介
作品名:なぞなぞソープ
作者 :古沢 菜月(長岡造形大学)
分類 :IoTデバイス

「なぞなぞソープ」はソープディスペンサーをプッシュするとなぞなぞが出題され、手洗いに最低限必要とされている30秒後に答えを教えてくれます。ついつい面倒と感じてしまう手洗いを楽しくするプロダクトです。

・審査講評
子どもたちにとって面倒な手洗いの時間を、「なぞなぞ」と結びつけることで楽しい時間に変化させた。30秒という時間の使い方に明確な答えを提示するロジカルな視点と、帰宅しソープディスペンサーを押し、手を洗い、流し、拭くといった一連の行動に対するフィジカルな視点を持ちあわせている。ソープディスペンサーを押す=スイッチオンがアイデアの根源だ。キャッチーでわかりやすく、グランプリにふさわしい作品だ。

・受賞者コメント
グランプリがいただけるなんて思っていなかったので驚いていますし、大学4年間を過ごした長岡で開催されたコンテストで素敵な賞をいただけたのはとても光栄です。テーマがwith KIDSということで、ユーザー視点で考えるのが難しかったです。ただ、ユーザーの目線で物事を考えるのはすごく重要なことだと再認識しました。この春からはデザイナーとして就職します。ユーザー視点を大切に働きたいと思います。


■全体講評
審査員:岡崎 智弘(デザイナー)
各作品にいろんな魅力、可能性が集まっており、審査に悩んだ。その中でも、作者が自分の中でちゃんと強く思っていることを表現した作品が評価されていた。
人間は論理と感覚の両方でできている生き物である。頭で考えたことや本などから得た知識も大事だが、自分の目で見て体験して感じたことに勝るものはない。コンテストの参加者は、応募やブラッシュアップの過程でもさまざまな体験をしている。そこで何を発見できるか、自分の中にストックしていってほしい。ここで完成ではなく、変わり続けること、変わっていくプロセスが一番大事だと思う。
グランプリは小学生投票により決定したが、大人が忘れてしまっている子どもたちの感覚や判断基準を知るのは面白かった。生活者の視点での評価も得られるのは、米100DCの魅力ではないだろうか。

審査員:渋谷 修太(フラー株式会社 代表取締役)
どうしたら子どもたちが楽しくなるか、よく考えられた作品が多く、審査をしていてこちらも楽しい気持ちになった。今回高評価を得た作品は、アイデアも良かったし、伝え方も良かった。また一次審査後の短いブラッシュアップ期間で、より良くなっていたのにも驚いた。
アイデアに「伸びしろ」があることも評価では大事にした。完成されすぎていてもダメで、今後を人に期待してもらえるアイデアであることは、ビジネスの世界でも非常に大切である。その点で受賞を逃した作品もあるが、すぐに開発・リリースできるレベルのものは、実際にユーザーの評価を得てみよう。ユーザーがつくかどうかが、結局すべてである。
短いプレゼンテーションで、アイデアの面白さと実現可能性を表現できる力をつけることは重要だ。応募者には、米100DCを良い経験として、アイデアを世の中に実現できる人になっていって欲しい。

審査員:徳久 達彦(長岡造形大学 視覚デザイン学科 准教授)
「子どもの遊び、学び、暮らしを豊かにする」とは何かをいろいろ考えた。一見わかりにくいが、何度か見て面白さや可能性が見えてくる作品がたくさんあった。短いプレゼンテーション動画ではアイデアを伝えることが難しかったと思うが、開発でがんばった点や制作の背景ばかり伝えても魅力にはならない。子どもたちにとっての楽しさや新しさを表現できた作品が高評価を得た。
1次審査通過の8作品は、ブラッシュアップ期間で作品ともう一度向き合ったことでさらに魅力的になった。応募して終わりのコンテストではないのは、作者にとっても有益だろう。
最終審査では小学生投票があったが、保護者や先生といった大人が子どもに使わせたいという視点での評価もありそうだ。また実際に触ったり、使ってみたりできれば結果は違ったかもしれない。応募者は、今回のアイデアをぜひかたちにして欲しい。進める中で見えてくることがあると思う。

特別審査員:河口 洋一郎(東京大学名誉教授)
小学生からの意見を聞く、小学生が関わり、自分の意見を届ける形を取ったことが画期的だと思う。プログラミング教育が始まり、物事の考え方や手段が広がり、パラダイムシフトが起きている。未来の大人たちへの働きかけとしてデジタルコンテストに参加してもらったことの意義は大きいのではないか。
応募作品はそれぞれ身近な暮らしの側からの困りごとを解決するテーマで応募している。グランプリ・入選8作品の24歳以下のクリエイターたちは、具体的な方法論を研究して、これらの着眼点を育てて欲しいと思う。
今後は、興味を宇宙や地球、深海などスケールを広げて、問題解決を探って行っても欲しい。未来の技術を引っ張る人材が生まれることを期待したい。夢のある、型破りな発想や方法論が出て、世界を面白くして欲しい。

特別審査員:磯田 達伸(長岡市長)
今回のコンテストでは、多くの市内外の若者が、「子どもの暮らしを豊かにする」という課題に真摯に向き合い、アイデアを出してくれた。そのアイデアの可能性の広がりに大変感銘を受けた。また、ユーザーである市内の小学生が、応募者に対して「困りごと」や「ほしい道具」を提案したり、投票という形で作品を評価してくれた。こうしたユーザーとの双方向の関わりは、今後さらに皆さんのアイデアをブラッシュアップし、実現していく上で大切になる視点であると思う。
長岡市は、多様な産業や、4大学1高専15専門学校という充実した教育機関が集積することを強みに、「長岡版イノベーション」を推進している。今後も、若者が起業しやすい環境、失敗を恐れずチャレンジできる環境を創り、未来を支える人材を育成していく。参加してくれた若い優秀な人材がコンテストをきっかけに当市に関心を持ち、今後もつながりを持ちながら、さまざまな活動に広がっていくことを期待する。


■コンテスト概要
ながおか・若者・しごと機構が、「長岡版イノベーション」を推進し、人材育成と未来への投資を行う「新しい米百俵」の実現に取り組む長岡市と共催で今年度に初めて開催するコンテスト。コロナ禍を前向きにとらえ、ユニークな発想を持つ若者がチャレンジできる環境、先端技術を取り入れた現代の学びの場を提供することで、若い才能を発掘し、支援することを目指す。全国の若者から、アプリ、ゲーム、IoT 機器のアイデアをオンラインで募集し、一次、 二次審査を経て、グランプリと特別賞を選出する。

主催:ながおか・若者・しごと機構
共催:長岡市

<募集内容 テーマ「with KIDS」>
子どもの遊び、学び、暮らしを豊かにするデジタルプロダクトのアイデア
※募集に先駆け、テーマとなる子どもたちの生の声を集めるべく、長岡市内の小学校全57校の協力を得て「ひみつ道具のアイデア」を募集。集まった667件の回答は、応募者の参考となるよう米100DCのホームページで公開。

<応募者>
創造性を持ち、デジタル領域に関心のある若者 (平成8(1996)年4月2日~平成 20(2008)年4月1日生まれの人)

<コンテストの経過>
・10月1日~11月30日 作品募集(全国から128作品の応募)
・12月25日 3人の審査員による一次審査により8作品選定
・12月25日~1月31日 審査員の講評等により、作者が作品をブラッシュアップ
・2月1日 ブラッシュアップ後の作品提出完了
・2月15日~3月5日 長岡市内小学生による投票及び審査員・特別審査員による二次審査


■ながおか・若者・しごと機構について
新潟県長岡市が策定した「長岡市まち・ひと・しごと創生総合戦略」の推進役として、長岡市内の4大学1高専15専門学校、金融、産業、行政の29機関で設立された組織です。「若者のアイデアを実現」「若者同士の交流創出」「若者が学ぶ・働く魅力創出」を主な役割としています。
https://n-wakamonokikou.net/
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