提供サービスの全体像
近年、日本では大型台風や局地的大雨などの異常気象に起因する災害が増加しており、気象が社会や経済に与える影響は益々高まりつつあります。事業活動においても、インフラや重要資産の棄損、事業の長期停滞などの実害が多数発生しており、企業はBCP(事業継続計画)の策定をはじめ、将来のリスクを見越したより実効性のある対応が求められています。
世界的な課題として国連が提言する「気候変動に関する政府間パネル」では、人為起源による地球温暖化に伴う気候変動によって将来一層深刻な影響が生じることが懸念されています。日本はパリ協定を受けて2013年比で温室効果ガスを、2030年までに26%削減、2050年までに80%削減という目標を掲げています。この取り組みを確実に推進し、SDGs(持続的な開発目標)でも目指す「誰一人取り残さない、持続可能で多様性と包摂性のある社会」を実現していくためにも、企業は経営の重要課題として、より効果的な気候変動への対応を実施しサスティナブルな事業活動を行なっていくことが求められています。
KPMGコンサルティングでは、事業変革支援やテクノロジートランスフォーメーション、BCPを含んだリスクコンサルティングの豊富な経験を有しており、また多くの日本企業の海外展開における支援を行っています。一方、日本気象協会では、70年間培われた気象ビッグデータの解析技術を持ち、国内外の高精度な気象予測を実施、これらの気象予測を元に商品需要予測事業の展開や環境影響評価(環境アセスメント)などのコンサルティングを行ってきました。
このたびの協業でそれぞれの領域で培ったノウハウを活用することにより、両社は気候変動に対する「緩和」、リスクの軽減を目指す「適応」の両方に向けたビジネスプランやモデルの変革、リスク管理態勢の高度化などをはじめ幅広いコンサルティングサービスの提供が可能となり、企業に対するより実効性のある支援を行っていく予定です。
【提供サービス】
・需給予測とオペレーションの最適化支援
日本気象協会が多数の実績を有する高精度な気象予測を踏まえた商品需要予測に、KPMGの経験豊富なコンサルティング力を生かし、主に製造業や製造小売業・小売業・外食業における仕入れや販売・マーケティング計画の最適化、生産計画やサプライチェーンの最適化、ダイナミックプライシングの実施など、オペレーションの最適化を支援します。
・金融商品およびサービスの開発支援
高精度かつ網羅性・継続性・一貫性ある気象および気候予測データと、金融データなどの連携を図り、ESG(環境・社会・ガバナンス)投資等も考慮した新たな気候変動の緩和・適応に向けた金融商品の開発や、投資・運用業務の最適化を支援します。また、気象に関連した災害や事故を想定した顧客向けの情報提供サービスや保険商品の拡充、保険損害サービスなどのリソース配置最適化など、金融、保険業への気象予測および気候変動分析のビジネス活用の支援を行います。
・早期アラート情報に基づく有事対応およびBCPの高度化支援
早期かつ高精度な気象災害予測をもとに、企業における有事の対応を含めたBCP(事業継続計画)の実効性強化を支援します。気象庁による公開情報に先立って特定事業者向けに洪水などの気象災害の予測を図ることで、早期に災害発生を検知した場合の行動計画を整備し、有事の際に早い段階で被害軽減・回避行動を取ることが可能となります。
画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/221334/LL_img_221334_1.jpg
提供サービスの全体像
気候変動に対する緩和策また適応策が必要な業界は多岐にわたります。金融、保険、製造、自動車、製薬・ヘルスケア、エネルギー、情報通信・メディア、サービス、パブリックセクターなどあらゆるインダストリー横断でサービスの拡充を進め、海外への展開も予定しています。さらに気候変動に関する情報を両社による共同セミナーや講演などのマーケティング活動を通して積極的に発信し、企業のみならず個人・社会全体に対して環境意識向上に向けた啓発を行い、将来の温暖化の緩和に寄与することを目指します。
■KPMGコンサルティングについて
KPMGコンサルティングは、KPMGインターナショナルのメンバーファームとして、ビジネストランスフォーメーション(事業変革)、テクノロジー、リスク&コンプライアンスの3分野でサービスを提供するコンサルティングファームです。戦略、BPR、人事・組織、PMO、アウトソーシング、ガバナンス・リスク・コンプライアンス、ITなどの専門知識と豊富な経験を持つコンサルタントが在籍し、金融、保険、製造、自動車、製薬・ヘルスケア、エネルギー、情報通信・メディア、サービス、パブリックセクターなどのインダストリーに対し、幅広いコンサルティングサービスを提供しています。
■一般財団法人 日本気象協会
1950年に誕生した日本気象協会は、天気予報に代表される気象予測事業に加え、再生可能エネルギー、環境アセスメント、大気解析事業、防災・減災・安全管理に関する事業など、気象に関するコンサルティング事業を通じ、公共に資する企業活動を展開しています。海外では31の国と地域で、気象と水象のコンサルティング事業による国際協力および民間投資に資するビジネス事業展開をしています。