inoca SETTA
いぐさ収穫祭のようす
地域の方々に支えられている、和歌山県ではじめての「いぐさ栽培事業」。
48通りの雪駄。いぐさ栽培から雪駄仕上げまで、全てが職人の手しごと。
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inoca SETTA
和歌山県の南岸にあるリゾートタウン南紀白浜。
この地で80年続く老舗畳店「(有)井戸畳店」が、2018年に立ち上げた生活雑貨ブランド「inoca」が、生活雑貨専門店「ロフト」の全国12店舗に並ぶことになりました。
日本人のアイデンティティ「畳」を守る。
「畳」は日本固有の文化。発祥は平安時代といわれています。
原材料は「いぐさ」や「わら」といった身近にあるものを使い、日本の蒸し暑い夏にはサラッと涼しく、乾燥する冬には湿度を保ちながら暖かく過ごせる、先人の知恵が凝縮された機能的な敷物です。
「最近は畳を含めた「和文化」が若い方にも見直されています。海外からの観光客の皆さんにも畳のお部屋は人気があるようです。」(井戸社長)
さらに畳は「機能的な敷物」という側面だけではない、と井戸社長はいいます。
「茶道、華道、柔道と、道のつくものには畳が使われています。畳の目から数えてお点前をする茶道や、畳の枚数で部屋の広さを定めている日本建築など、日本人のモノの考え方の基準にも繋がるのが畳だと思っています。」
ところが、畳の原材料「いぐさ」を栽培する国内生産者は激減しています。最盛期には2万件ほどあったといわれるいぐさ農家が、今では400件ほどまでに減少。今後さらに減少が予想されているとのこと。そんな現状を憂慮した井戸社長は、自らの手でいぐさの栽培をはじめました。
「地産地消の畳をつくりたい。という思いと、スタッフ全員の学びに繋がれば、という考えのもといぐさ主産地の熊本県の仕入れ先農家さんまで足を運び、理解と協力を得て2014年からスタートしました。」
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いぐさ収穫祭のようす
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地域の方々に支えられている、和歌山県ではじめての「いぐさ栽培事業」。
紀州いぐさプロジェクトのページはこちら : http://www.facebook.com/igusaproject/
『inoca』はそんな畳の現状を少しでも多くの方に知っていただくとともに、「いぐさ」の持つ効能・効果を、現代の暮らしにより馴染むかたちで提供することを目指しているブランドです。
豊富なカラバリと「純国産」にこだわる「ものづくり」
では、畳の効能・効果とはどのようなものでしょう。
「畳は、1枚で空気中の水分約500mlを吸収します。そして部屋が乾燥してくると蓄えた水分を放湿してくれます。また、二酸化窒素ガスなどの有害物質を除去します。さらに天然いぐさの香りは森林浴のような癒しの効果があります。つまりエアコンと空気清浄機とアロマディフューザーの機能を一度に持った天然由来の敷物といえます。」
なるほど。とはいえ、建築の洋風化が進み、和室の数が少なくなっているのも事実。そんな中で井戸社長が目をつけたのは、
「夏のジメジメした季節にいぐさの雪駄は最適な履物です。さらに直接足に触れてもらうことで畳の良さを再認識してもらえると考え、『inocaシリーズ』の第1弾に決定しました。」
とはいえ、いくら機能的でたくさんの効能・効果をもつ商品であっても、それだけでは多くの人に買っていただくことは難しいのかもしれません。
そこで考えたのが、豊富なカラーバリエーション。
「畳はそもそも色選びなど、選択肢が多い商品ではありません。選ぶ楽しみと、ユーザーがそれぞれの個性を表現できるような商品づくりがしたいと考えました。」
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48通りの雪駄。いぐさ栽培から雪駄仕上げまで、全てが職人の手しごと。
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女性用は広い鼻緒がかわいい。ヒール4.5㎝のEVAソールを使用し、軽い履き心地。
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雪駄と同じ色展開の「カードケース」。交通系電子マネーカードなども、中に入れたまま使える。
鼻緒の表面が12色、先緒と鼻緒のウラには4色。全ての掛け合わせで48種類という他に類を見ないカラーバリエーションは、生産者や販売側にとって、とても大変な苦労があると思うのですが、、。
「大量生産、大量消費を前提にしているならば、こういう形にしていません。奈良県の由緒ある雪駄職人街で、一番腕のいいと評判の職人さんが、ひとつずつ丁寧につくっているからこそ、このバリエーションが可能になっています。カップルでのお揃いコーデ、仲良しグループで色違いコーデなど、カラバリ豊富な分、楽しみ方も広がると思います。」
和歌山県と奈良県は熊野古道で繋がる、歴史的にも繋がりの深い隣県です。
そんなお隣同士が偶然にも繋がり、新しいプロダクトが生まれました。
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奈良県三郷町の雪駄づくり。一つひとつが手しごと。
「畳職人も雪駄職人も、高齢化や後継者育成など、抱えている課題はとても似ています。だからこそ、一緒に力を合わせて業界に新しい風を吹かせられたらと、何度も奈良まで足を運び、思いを伝えました。いぐさ栽培も雪駄づくりも、最初は苦しいことばかりでしたが、今まで出会うことのなかった方々との出会いでたくさんの学びをいただいています。」
井戸畳店として長年営んできた畳の「製造販売」、いぐさの栽培・加工という「農業」、雪駄など生活雑貨の「小売・流通業」はまるで違うビジネス。それを繋げるのがいわゆる「6次産業化」。チャレンジにつぐチャレンジ、聞いているだけでクラクラしそうです。
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浴衣はもちろん、デニムにもよくマッチする『inoca SETTA』。
展示会への出展、多くの出会いから学んだもの
さあ、ここからがいよいよ販売です。多くの方に商品を知ってもらうには、どうすればいいのか?
「『inoca』とは、【いぐさの香りを暮らしに】というコンセプトから名付けていますが、プロジェクトが進むごとに【これでいいのかな?】の『inoca』やな!と話してました。(笑)」
...ここまで聞いてきて、それがとても伝わりました。(笑)
初めての展示会出展が「インターナショナル・ギフト・ショー京都2019 春」。オープンと同時に入場制限がかかるほど会場は大盛況。inocaブースも多くの有名店バイヤーたちに取り囲まれました。
結果、最終日までその人だかりは途絶えることがなく、来場者投票で決定する「おみやげコンテスト」では最優秀グランプリ受賞。これを皮切りに数々の展示会に出展した2019年。出展を続ける中で、何を感じていたのでしょうか。
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「インターナショナル・ギフト・ショー京都 2019 春」最優秀グランプリを受賞。
「つまるところは全て『ご縁』なのかなと。私たちの考えや思いをご理解いただき、相手様のお気持ちも十分にお聞かせいただく。それぞれの考えが共鳴する形でなければビジネスとしても成立しないのが「小売・流通」の世界なのかなと、出展を重ねるほどに強く感じました。」
そんな『ご縁』から、いよいよロフト全国12店舗での販売が始まります。
ロフトでは、各店ごとに展開のカラーをセレクトし、数量限定で販売します。
「店舗ごとの地域性を考えたうえで、全国その地その地でお客様に喜んでいただけるよう、バイヤーさまとしっかり意見を交わさせていただきました。どうぞ店頭で、実際の商品を手に取ってご覧ください。」
畳文化を守り、日本の農業を守り、そして日本のものづくりを守るという大きな志をもち、それを実現するためのご縁をたぐり寄せている「inoca」。これからの展開に注目です。
【ロフト展開店舗】
渋谷ロフト、銀座ロフト、池袋ロフト、吉祥寺ロフト、横浜ロフト、千葉ロフト、札幌ロフト、仙台ロフト、梅田ロフト、神戸ロフト、京都ロフト、天神ロフト
※展開時期、展開商品は店舗によって異なります。
※各店舗の営業時間は、ロフトHPをご確認下さい。https://www.loft.co.jp/
【関連ウェブサイト】
有限会社井戸畳店 http://shirahama.net/
inoca WEB SITE https://inoca.jp/
紀州いぐさプロジェクト https://www.facebook.com/igusaproject/
Instagram https://www.instagram.com/inoca_jp/
【お問い合わせ】
(有)井戸畳店 inoca(いのか)事業部
担当:代表取締役 井戸宏和
MAIL:info@inoca.jp TEL0739-42-2412 FAX0739-42-2448