図1
1. 概要
「MIST」はシンガポール・ミャンマー・インド間を結ぶ総延長は将来拡張を含むと約11,000kmとなる大容量の海底ケーブルです。
NTT Ltd.は既存の国際海底ケーブルである、Asia Submarine cable Express(ASE)、Asia Pacific Gateway(APG)、Pacific Crossing-1(PC-1)および現在建設中のJUPITERを通じて、アジアからアメリカへ至るグローバルネットワークをご提供できます。
「MIST」と、NTT Ltd.が保有するこれらの既存の国際海底ケーブルを組み合わせることで、インドからアメリカまで繋がるグローバルネットワーク実現します。(図1)
画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/201084/LL_img_201084_1.png
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2. 背景・狙い
アジアではSNS、Eコマース、企業向けクラウドサービスなどを提供するデジタルプラットフォーマーと呼ばれる企業がデータセンター進出を加速しており、携帯電話の普及や5Gのサービス開始など、海底ケーブルを経由する国際データ通信の急拡大を見込んでいます。域内のデータ通信の中心地となっているシンガポールを拠点に、インターネット通信量の伸びが著しく、今後も海底ケーブル需要増加が見込まれるミャンマー、インドを繋ぐことで事業拡大を図ります。
3. 特長
1) NTT Ltd.によるEnd-to-Endのネットワーク提供
NTT Ltd.はシンガポール、ミャンマー、インドそれぞれの国でデータセンターを運営しており、陸揚局とデータセンターを自前で構築した大容量ファイバーで接続することで、国内部分のデータ伝送の高速化を図ります。また、今回は当該海域で初めて、現地の通信会社を間に挟まずにOrient Link単独で建設を実施しており、データセンターからお客様設備間の接続キャリアを自由に選択できることによる柔軟性の向上も実現します。
2) 高品質なグローバルデータセンター間ネットワーク
「MIST」とNTT Ltd.が提供するデータセンターを併せてご利用いただくことで、お客さまの用途に応じた最適な海底ケーブルとして、グローバルにデータセンター間を接続する環境を用意します。さらに、陸揚局をNTT Ltd.が一元的に保守・運用することで、今後さらなるサービス品質の向上を目指します。
3) 地域最大容量となる240Tbpsを最新技術で実現
最先端のファイバーや設計技術の導入により、シンガポール・ミャンマー・インド間の海底ケーブルとしては最速となる400ギガビット(400Gbps)の光波長多重伝送方式を用いて240Tbpsを実現します。これは、1秒間に約6時間分のハイビジョン映像(映画の場合約3本)を転送できる速さです。
4) お客様ビジネスの継続性を確保
最新の波長選択機能(WSS ROADM:ROADM:Wavelength Selective Switching Reconfigurable Optical Add Drop Multiplexing)を搭載したケーブル分岐装置を利用し、海底に敷設したケーブルの伝送ルート・容量などを、遠隔から柔軟に変更することが可能です。これにより、インド近海で自然災害などの予期せぬケーブル不具合が生じた場合には、遠隔操作により伝送ルートを変更できるため、お客さまのビジネス継続性を確保します。
4. 今後の展開
爆発的に増加するアジアのインターネットトラフィック需要やクラウドサービス、これから到来する5G無線通信時代などに対応する為に、NTT Ltd.はアジアで保有するケーブル容量の拡大や、自社データセンターへの海底ケーブルの引き込み、ケーブルルートの冗長性担保などを通じて、より信頼性の高い国際ネットワークサービスを実現します。加えて、データセンター・クラウドサービス・ネットワークサービスなどを一体的に提供することで、お客さまのグローバルビジネス拡大に貢献していきます。
【MISTの概要】
・名称 :MIST
・設計容量 :最大240Tbps/12FP(拡張可能性含む)
・総延長距離 :約11,000Km(拡張可能性含む)
・当初陸揚げ予定地:シンガポール、ミャンマー、インド(ムンバイ、チェンナイ)
・総投資計画額 :約 400百万米ドル
・運用開始予定 :2022年6月
【Orient Link Pte. Ltd.概要】
・会社名 :Orient Link Pte. Led.,
・所在地 :シンガポール
・設立日 :2019年10月10日
・資本金 :119百万米ドル
(株主:NTT Ltd., 株式会社海外通信・放送・郵便事業支援機構, WEN Capital Pte. Ltd.)
・代表者 :佐藤吉雄
・事業概要:国際海底ケーブルの建設、販売および保守運用
本文は仮訳であり、正式なプレスリリースに関しては、英文をご参照下さい。
(参考)英文リリースURL: https://hello.global.ntt/en-us/newsroom