メディアオーディットとは
メディアバイイングオーディットの仕組みと位置付け
■1. メディアオーディット(Media audit)の本質とは何か?
【メディアオーディットとは】
メディアオーディット(Media audit)とは、メディア=広告枠(スペース)購入において、下記を目的とし、事実に基づき、独立的第三者専門機関による監査/分析を実施するものです。
- 広告購買代理店では無い、中立的第三者専門機関による、メディア購入の価格妥当性と品質の診断
- メディア購入の効率検証・評価、問題点と具体的改善点の発見
- メディア購入プロセスの透明化、説明責任の達成(コンプライアンス・社内統制要件)
要するに、「企業のメディア=広告枠(スペース)購入」における独立専門機関による精密診断より、客観的専門的診断により事実を把握し、説明責任を果たしつつ、メディア購入に特化した「企業成長への投資評価と、投資効率最大化への行動プランを策定する」為に用いられます。
これが、メディアオーディット(Media audit)の本質です。
*エスピーアイによるメディアオーディット(Media audit)のイメージ
画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/170763/LL_img_170763_1.jpg
メディアオーディットとは
メディアバイイングオーディットの仕組みと位置付け
https://www.atpress.ne.jp/releases/170763/img_170763_2.jpg
【メディアオーディットの分類】
メディアオーディット(Media audit)は、大きく3つに分類されます。
(1) Media buying audit(Media performance audit)
・各広告媒体における、主に「広告媒体枠(スペース)購入費」「露出量(実際の出稿量)」「質(露出ポジション、等)」、において、ベンチマークと比較
・日本では最も一般的なメディアオーディット(Media audit)
(2) Media process audit(agency service evaluation/assessmentを含む)
・コミッション/フィーの適正化、広告代理店との適切な業務プロセスscheme構築、サービス内容の査定、を目的とし、広告代理店との業務プロセス、委託業務内容、契約内容、サービス内容の質、等について監査
(3) Media financial audit
・広告購入支払い金額の「内訳」と「流れ」を透明化する為、広告主→代理店→メディア、の一連のcash-flowを監査
・海外では、コミッション%の透明性確保/メディアから代理店へのリベート/キャッシュ二次運用、に対する監査として一般的に実施されている
【具体的に解る事とメリット】
具体的に解る事としては下記が挙げられます。
(1) 広告媒体について、価格は安価か?露出量は妥当か?質は?トータルパフォーマンスは?
(2) 広告代理店との関係について、サービスは妥当か?フィーは?契約内容は適切か?
(3) 広告媒体における金額支払プロセスにおいて、適切なプロセスか?不要な支払いはないか?過大請求誤請求や中抜き等は無いか?
広告媒体投資は、年間少なくとも数千万円・多いと数百億円にも上りますが、その効果効率は中々実証困難です。
効果については、売上や、認知率・好意度・来店数、等と紐付けて分析する事で、広告主でも分析可能であり、これは通常の企業であればマーケティング・広告宣伝部が日々行っている事でしょう。
しかしながら、では、広告媒体購入の効率が適切だったのか(他社より安価だったのか?良いサービスを広告代理店やメディアから受けていたのか?)は、広告主側では測りようがありません。
広告主が広告媒体購入を適切に診断するには、広告代理店に頼らず、独自で外部データや情報を取得しなければなりませんが、甚大な費用・専門ノウハウ・地場情報が必要であり、大多数の広告主では不可能です。
その中で、独立的専門的立場を堅守したメディアオーディター(Media auditor)による「メディアオーディット(Media audit)=広告購買監査」こそが、「広告媒体購入の効率、つまり企業成長へのメディア投資効率が適切だったのか?」という問いに対する解答であり、メディアオーディット(Media audit)の本質なのです。
■2. メディアオーディット(Media audit)の現状と今後の予測
【消えゆくメディアオーディター】
御存知の通り、欧米では、「メディアオーディット(Media audit)=広告購買監査」は至極一般的なモノとして多くの企業が導入しています。
しかし日本では“仲良し文化・第三者評価への強い抵抗感”等の要因もありましたが、昨今は「広告宣伝費の聖域化への疑問・コンプライアス重要性の高まり」等から浸透してきている状況です。
一方、メディアオーディター(Media auditor)の業界はというと、世界では「メディアオーディター(Media auditor)が消えていく」現象が始まっています。
今迄「専門職」と「ビジネスコンサルティング会社(以下 ビジコン)の、コンサルの一部機能」という2パターンのメディアオーディター(Media auditor)がいましたが、「コンサルの一部機能」のメディアオーディター(Media auditor)が、急速に“メディアオーディター(Media auditor)では無くなって”きています。
彼等は、メディアオーディター(Media auditor)から、メディアエージェンシー=広告代理店、にビジネスモデルをシフトしてしまいました。結局、マーケティング・広告をコンサルするビジコンは、自らが広告代理店(主に「デジタルメディアエージェンシー(デジタル広告代理店)」)になる事で、企業に“コンサルからエグゼキューション(実行)迄”のサービスを提供する事でビジネスチャンスを拡大する戦略に打って出たのです。
利益拡大を追求するビジコンにとっては、“「細部精緻な分析・専門的ノウハウと人材・膨大なデータプール」を要するメディアオーディット(Media audit)”よりも、ソリューションを提供し「メディアオーディット(Media audit)費の20~100倍程のメディア費=広告宣伝費」を根こそぎ獲得する、というモデルが魅力的ですしそこに利があるのは明らかです。なお、建前上、「メディアエージェンシー(広告代理店)機能は別会社だ」としているようですが、グループ内に公に「メディアエージェンシー(広告代理店)」がある以上、そういった会社はもうメディアオーディター(Media auditor)とは言えません。
当社エスピーアイは、海外大手老舗の「専門職」メディアオーディター(Media auditor)とは古くからパートナーシップを構築して情報交換に努めていますが、昨今のトピックは、インターネット/デジタルメディアと「競合コンサルのメディアエージェンシー(広告代理店)化」という状況です。
【日本市場ならではの弊害】
一方日本では、“広告宣伝費に切り込みたいビジコン・特定の広告代理店と取引があるメディアコンサル・データが欲しいデータ屋”が、メディアオーディター(Media auditor)を標榜して企業から情報を入手していく、という事例がまだ時々見受けられ、メディアオーディット(Media audit)の概念自体が浸透していない日本市場ならではの弊害が見受けられます。
単にデータをダッシュボード化しただけだったり、データ提供分析後に「広告代理店ピッチ実施や広告代理店の切り替え」をやたら進めてきたり、報告書を広告主より先に広告代理店に見せたり、という場合は要注意です。
【インターネット/デジタルメディアへの対応】
勿論、インターネット/デジタルメディアの急速な発展に対する対応も目下重要トピックの一つです。
インターネット/デジタルメディアは、この1~2年の内に動画広告も本格化し、企業の広告費は急速にシフトし、今も二桁成長が続きます。一方で、日本市場特有の取引透明性の欠如、企業ニーズと広告代理店ケイパビリティの不一致、或いはプログラマティック(自動化)取引による広告費詐取やブランド棄損リスクなど、広告主にとってはいずれも看過できない問題が顕在化しています。
広告主の多くは、これらのリスク要因を適切に管理・対処しながらインターネット/デジタルメディアの活用を積極的に推進したいと考えていますが、高い専門知識と確かなソリューションを提供できるメディアオーディター(Media auditor)は限られているのが実情です。
コンサル会社の中には、“海外のITテクノロジー会社と組む事インターネット/デジタルメディアオーディット(web/digital audit)が提供可能”と標榜する者もいますが、メディアコンサルティング・メディアオーディット(Media audit)は「各国の事情・文化、消費者動向、メディア取引の慣習・特性・最新トレンド」を踏まえて行われるべきものであって、それを国外のテクノロジーベンダー導入により解決しようとするのは的外れと言わざるを得ません(分析としては良くても、広告購買監査としては成り立ちません)。
【今後の予測】
このような状況から、今後メディアオーディター(Media auditor)には、より「中立性・専門性・信頼性の高いデータプール」が求められるのと同時に、テレビCM含めた従来のメディアだけで無く「インターネット/デジタルメディア」への対応力が強く要求されてくるでしょう。
エスピーアイは、独立的専門的立場を堅守したメディアオーディター(Media auditor)として、1995年以来のノウハウ・経験・データプールを用いて、適切な「メディアオーディット(Media audit)=広告購買監査」の提供に努めています。
インターネット/デジタルメディアについても、子会社のSPIインタラクティブにより既に多くのメディアオーディット(Media audit)を提供し実績を積んでおり、「テレビCM含めた従来のメディア+インターネット/デジタルメディア」での総合・統合的なオーディット(Media audit)実施を実現していきます。
【株式会社エスピーアイについて】
エスピーアイは、テレビCMを始めとした広告の価格妥当性調査、宣伝活動や広告キャンペーンの投資効率計測、競合メディア露出量分析(広告&広告以外)、コミュニケーションやメディアに関するコンサルティングやアドバイザー業務、消費者インサイトや商品・ブランドに関する分析等を通じて広告宣伝やマーケティングの投資効率把握と改善を行う、日本の広告業界では草分け的なコンサルティング会社です。
独自データベース、テレビ視聴率データ、高度な統計手法等を駆使して、科学的・数値的なアプローチを基にしたサービスを展開しています。
社名: 株式会社エスピーアイ
本社: 〒101-0003 東京都千代田区一ツ橋2-4-4 一ツ橋別館3F
代表: 代表取締役 道端 智之
設立: 2014年(1995年設立の同名会社を承継)
日本アドバタイザーズ協会、日本マーケティング協会
URL : http://www.spi-consultants.com/ja/