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花粉がペットの体毛に付着し室内に持ち込まれることを確認 ペット用ボディケア製品による対策が有効であることを発表



散歩後の犬の体表の花粉付着部位(代表例)


散歩後の犬の体毛への花粉付着量(個/100cm2)


散歩後の犬の体毛への花粉付着量-背側と腹側の比較-


ペット用ボディケア用品による花粉の除去効果

ライオン商事株式会社(代表取締役社長・川島 元樹)は、麻布大学獣医学部獣医学科微生物学第一研究室 阪口 雅弘教授、NPO法人 東京アレルギー・呼吸器疾患研究所 白井 秀治氏と共同で、花粉の飛散時期に外を散歩した犬の体毛に付着する花粉の量について実態調査を行い、散歩の後に犬の体に付いた花粉が室内に持ち込まれている可能性があることを確認し、「第160回日本獣医学会学術集会(2017年9月15日 於:鹿児島大学)」で発表しました。

さらに、花粉を室内に持ち込まないために、外出後にはペット用ボディケア製品で花粉を取り除いたり、外出前に処置をして花粉を付着させない対策が有効であることを、「第14回 日本獣医内科学アカデミー学術大会(2018年2月17日 於:パシフィコ横浜)」で発表しました。



画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/151058/LL_img_151058_1.jpg

散歩後の犬の体表の花粉付着部位(代表例)



<研究の背景>

花粉飛散時期に外で活動すると、人の衣服や顔に花粉が付着することが知られています。一方、室内犬のオーナーにとって外での散歩は日課の一つになっていますが、散歩後の犬の体にも人と同様に花粉が付着し、花粉が室内に持ち込まれている懸念があります。

これまで、犬の体表への花粉付着について詳しく調べた研究事例がありませんでしたが、この度スギ花粉の飛散時期に散歩した後の犬の体表に付着する花粉の量について調査しました。さらに付着した花粉を除去したり、花粉の付着を防ぐ方法について検討を行いました。





<研究結果の概要>

1. 花粉飛散時期に散歩した室内犬の体表に付着する花粉の実態調査

<調査(1):体表の部位別付着の確認>

スギ花粉の飛散時期(2017年4月)に東京都、神奈川県に住んでいる室内犬5頭を散歩させ、帰宅後に粘着シートで体表に付いた花粉を採取し、花粉付着数を顕微鏡で測定しました。

その結果、花粉は頭や背中側の毛だけでなく、腹側や足裏にもたくさん付着していることを確認しました(下図)。

このように、空気中を漂っている花粉は風に乗って犬の全身の毛に付着するばかりか、地表に落下している花粉を散歩時に踏みつけてしまい、足裏にもたくさん花粉が付着していることが分かりました。



散歩後の犬の体表の花粉付着部位(代表例)

https://www.atpress.ne.jp/releases/151058/img_151058_1.jpg



<調査(2):散歩時の花粉付着量の検証>

散歩の際に犬の体毛に付着する花粉量の違いを調べるため、東京都と神奈川県に住んでいる室内犬15頭の背側と腹側の2箇所に花粉回収用バッジを取り付け、スギ花粉の飛散時期(2017年4月~5月)に30分~1時間の散歩を行い、その後バッジに付いた花粉の付着数を顕微鏡で測定しました。

その結果、散歩した全ての犬の体毛に花粉が付着していました(下図1)。また、花粉の付着部位は背側が多い場合もあれば、背中より腹側のほうが多い場合がありました(下図2)。

このように、30分~1時間程度の散歩でも花粉飛散時期に外出すると短時間で犬の全身の毛に花粉が付いてしまうことが分かりました。また、花粉の付着量が背中よりも腹側に多い理由として、地表に落下している花粉を足で巻き上げたり、地面に腹這いになった時に腹側の毛に地表に落下している花粉が付着することが考えられました。



1:散歩後の犬の体毛への花粉付着量(個/100cm2)

https://www.atpress.ne.jp/releases/151058/img_151058_2.jpg

2:散歩後の犬の体毛への花粉付着量-背側と腹側の比較-

https://www.atpress.ne.jp/releases/151058/img_151058_3.jpg





2.体毛に付着した花粉を除去する方法および付着を防止する方法の検討

<検討(1):体毛に付着した花粉を除去する方法>

犬の散歩から帰り、室内に入る前に犬の体毛に付着している花粉を落とす方法について、ペット用のボディケア用品を使ってその効果を検討しました。

試験は、花粉を空気中に充満させた箱の中に毛束(※)を入れて花粉を付着させた後、3タイプの用品を各々使用して花粉除去処理を行い、残っている花粉量(Cryj1抗原量)を未処理の毛束と比較しました。

その結果、「水を使って洗い流すシャンプー」の場合、付着した花粉のほとんどを除去できることが確認できました(下図)。

一方、散歩の度に毎回シャンプーをするのが大変な場合に便利な「水を使わないドライシャンプー」や「ボディ拭き取り用ウェットシート」などの拭き取るタイプのボディケア用品でも、花粉の除去率は約8割と効果が高いことを確認できました(下図)。



ペット用ボディケア用品による花粉の除去効果

https://www.atpress.ne.jp/releases/151058/img_151058_4.jpg



<検討(2):花粉を体毛に付着させない方法>

空中を飛散している花粉は静電気の作用によって衣類に付着することが知られているため、静電気防止効果のあるペット用ボディケア用品を用いた花粉の付着予防効果について検討しました。

試験方法は、あらかじめ3タイプの静電気防止効果のあるボディケア用品で各々処理しておいた毛束(※)を、花粉を空気中に充満させた箱の中に入れて花粉を付着させ、付着した花粉量(Cryj1抗原量)を未処理のまま花粉を付着させた毛束と比較しました。

その結果、いずれのタイプも毛に付着する花粉量を減らすことができたことから、静電気防止効果のあるペット用ボディケア用品が花粉の付着予防に有効であることを確認しました(下図)。



静電気防止効果のあるペット用ボディケア用品による花粉の付着予防効果

https://www.atpress.ne.jp/releases/151058/img_151058_5.jpg



(※)評価用ヒト毛束5g





<ペットオーナーへの情報発信>

人は花粉飛散時期に外出した場合、帰宅後にはコートなどの上着の表面をしっかり払うこと、また洗顔やシャワーなどを行うことが推奨されていますが、人と同様に犬も散歩後にはシャンプーをしたり、体毛に付いた汚れをしっかり拭き取ることで、室内にスギ花粉などを持ち込まないようにする必要があります。また、犬のアトピー性皮膚炎では花粉が皮膚アレルギーの原因の一つであることが知られていますので、ペットの体毛や皮膚に付いた花粉などのアレルゲンをペット用ボディケア製品により除去する対策は有効と考えられます。



なお、本研究に関する内容の一部を以下の学会で発表しました。



「第160回日本獣医学会学術集会」発表概要

◎発表日 2017年9月15日(金)

◎会場 鹿児島大学

◎演題 花粉飛散時期における室内飼育犬の被毛への花粉付着の検討

◎発表者 白井 秀治 1)、相場 美咲 2)、磯田 由美 2)、中村 恒彰 2)、

黒崎 勉 2)、阪口 雅弘 3)

1)NPO法人 東京アレルギー・呼吸器疾患研究所、

2)ライオン商事株式会社、

3)麻布大学獣医学部獣医学科微生物学第一研究室



「第14回 日本獣医内科学アカデミー学術大会」発表概要

◎発表日 2018年2月17日(土)

◎会場 パシフィコ横浜

◎演題 花粉飛散時期における室内飼育犬の被毛への花粉付着と除去の検討

◎発表者 白井 秀治 1)、中村 恒彰 2)、磯田 由美 2)、相場 美咲 2)、

黒崎 勉 2)、阪口 雅弘 3)

1)NPO法人 東京アレルギー・呼吸器疾患研究所、

2)ライオン商事株式会社、

3)麻布大学獣医学部獣医学科微生物学第一研究室





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<報道関係の方> コーポレートコミュニケーションセンター 03-3621-6661

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