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今回のコレクションでは、全体的に深みのある色が使われています。ウィメンズのカラーパレットは焦げたようなオレンジ、深いレッドやピンク系、ダークネイビーやモスグリーン、バーガンディーやエスプレッソといったメインカラーを、思いもよらぬ意外な形で合わせています。クリエイティブ・ディレクターのトーマス・マイヤーは「同系色や、完璧なまでに合わさった色同士の組み合わせは一つもありません」と語っています。メンズのカラーパレットはウィメンズに比べて中間色寄りですが、落ち着いた色のアイテムであっても、たとえばレッドカラーのカーディガンやバッグ、コバルトブルーのバックパック、あるいは真っ白なパンツと合わせるなど、ビビッドな色をプラスしています。
素材はナッパレザーのほか、カーフまたはラムのスエードをヌバック、ムートン、ニットなどと合わせ、さまざまな形で使用しています。これらの素材を縫い合わせてリバーシブルにすることで、うっとりするほど柔らかな質感と機能性を兼ね備えた素材を生み出しています。ダブルカシミアや高機能のデュシェスといった高級感あふれる織物も印象的ですが、今回のコレクションの主役はコットンのドリルやポプリン、トリアセテートのクレープやジャージーニットなど、より通気性が高く軽い生地で、見事な仕立ての技により、まるで液体のようになめらかなフォルムを生み出しています。
今シーズンの傑作はボタニカルプリントで、コレクションの核となっています。野に咲く花や草原、蝶がそよ風に揺れる姿が、シフトドレスから高機能のデュシェスのスカート、カシミアのカーディガン、ウィンドブレーカー、さらにはバッグやブーツまで、あらゆるアイテムに華を添えています。
「花にはいくつもの色が含まれているため、表現する工程はとても複雑です。普通だったら2色か4色、というところですが、今回のプリントの多くは30色以上を使っています。目に見える形がとてもシンプルな分、希少性がそぎ落とされ、どこか抑制された雰囲気を保っているのです」とトーマス・マイヤーは語っています。
プリントを施すベースの部分にも、熟慮を重ねる必要がありました。トーマス・マイヤーとチームの手間暇を惜しまない努力の結果、デュシェスやカシミア、スネークレザーにアンティークの羊皮紙に似た表情を持たせ、ベースが完成しました。「正気とは思えないでしょう。でも、本当に特別なものができあがりました」とトーマス・マイヤーはコメントしています。
プリントの中には、ボッテガ・ヴェネタの伝統あるシンボル、蝶の形をしたものもあります。ドレスのネックラインに沿って羽ばたくいくつもの蝶は、裾の方へ目線を落とすにつれて姿が見えなくなっていきます。「1羽の蝶が迷子になった姿をイメージしました。生地を2色にすることで、コントラストが実に際立っています。」
数々のバッグにも、コバルトブルーや明るいピンク、燃えるような赤など、鮮明な色が取り入れられています。今回のコレクションでは、2種類の新しいフォルムがデビューしました。“チェーン ノット”は必要なアイテムを少し多めに収納できるよう、サイズがやや大きめになっています。もう一方のシルエットが新しい“ピアッツァ”バッグは長めのショルダーストラップと握りやすい短めのハンドルの両方が取り付けられており、洗練されたモダンな雰囲気を醸し出しています。さらに、2002年のアーカイブから復活した“ループ”バッグは、新しい金具を合わせてデザインを一新しました。さまざまなデザインのパンプスはエナメルのカーフにボタニカルプリントを施したメアリージェーンやレースアップのブーツタイプのものから、よりクラシカルなブラックのナッパレザーに繊細なイントレチャートのディテールを取り入れたパンプスまで、ハイヒールが主流となっています。メンズのバッグは2色使いのドキュメントケース、マルチカラーのブリック バックパック、ダークカラーのダッフルバッグなど、いくつものアイテムからお選びいただけます。シューズはローファーやカーフ製の白いスニーカーがコレクションをまとめ上げています。さらに、ペールブラウンの宝石をあしらったリングやブレスレット、イヤリングでコーディネートにアクセントを添えています。
今回も、ディテールへのこだわりが至るところに施されています。遊び心あふれる幾何学模様がハンドバッグの縁にアクセントを添え、パンツの脚の部分にはテニスストライプのラインが伸びています。ボタニカルプリントのメアリージェーンのパンプスに合わせたストライプのソックスは、履き口のラインがひざをきれいに見せ、シューズとソックスに視線を引きつけています。
「日が暮れるのが早くなり始めた頃に、お客さまが着たいと思うウェアを考えてみました。明るく元気の出る色が、夜が長くなるこの時期の気分を高揚させてくれるはずです」とクリエイティブ・ディレクターのトーマス・マイヤーは語っています。