測定イメージ「最大の一歩」の比較
ソラストの通所介護事業所では、ご利用者一人ひとりの意向に沿った「機能訓練計画書」を作成し、自立した日常生活につながる身体機能の維持・回復のための運動訓練を行っています。計画の作成や進捗の把握には、定期的な運動機能測定が欠かせません。しかし従来の測定方法では、複数名の介護スタッフがご利用者を補助しながら計測器を使用しての手作業で属人的であったため、スタッフにとって負担となり、客観的なデータの収集とより効果的な機能訓練向上プログラムの構築が困難でした。
キヤノンIMが開発した“ロコモヘルパー(※)”は、専用カメラ(赤外線深度センサーカメラ)を使用した運動機能の自動測定ツールです。ご利用者の骨格情報を認識し、姿勢や動きを電子データ化し、自動測定、評価、記録します。測定された情報は、「映像」と「データ」で可視化され、視覚的、客観性に優れた評価・分析が可能になることで、機能向上における進捗と課題がより明確になります。このデータはご利用者やケアマネジャー、ご家族との情報共有も図りやすくなり、ご利用者のモチベーションの向上につながるという効果も期待できます。また、データ化された測定結果を自動的にレポート作成する機能も有しているのでスタッフの事務作業が大幅に軽減されます。
ソラストは、“ロコモヘルパー”の開発趣意に賛同し、2014年8月から実証実験先として、キヤノンIMに全面協力してきました。実証実験を行った事業所(ソラスト住吉川、兵庫県)では、ご利用者自身が測定結果を映像で確認することができるため、「やる気」が引き出され、機能訓練の効果を実感していただけるようになりました。また、煩雑な測定業務が効率化されることで、介護スタッフが本来の介護に集中でき、好評を得ています。今回の“ロコモヘルパー”の導入を足がかりに、精度の高いデータの収集と蓄積によって、より効果的な機能向上プログラムの開発・確立を進め、「お客さまへの高品質な介護サービスの提供」と「業務の効率化(生産性の向上)」に向けた取り組みをさらに進めていく考えです。
ソラストは、ICTビジネス・ディベロップメント・センターを設置し、センサー、AI、ロボット、通信などの技術を、介護や医療事務において活用する取組みを推進しています。属人的で生産性の低い日本のサービス産業に、「人+ICT」のサービスモデルを確立することで、プロセスの統一と生産性の飛躍的な向上の実現を目指しています。
※“ロコモヘルパー”の“ロコモ”は「ロコモティブシンドローム」から由来しています。ロコモティブシンドローム(運動器症候群、以下 ロコモ)は、運動器の障害によって、要介護や要介護になるリスクの高い状態になることで、日本整形外科学会が2007年(平成19年)に新たに提唱した概念です。厚生労働省も21世紀における国民健康づくり運動を推進する「健康日本21」において、今後の超高齢化社会における健康寿命を延伸するため、ロコモの啓発活動に注力することを公表しています。
■株式会社ソラスト(旧社名:株式会社日本医療事務センター)
ホームページ: http://www.solasto.co.jp/
1965年に日本初の医療事務教育機関として創業し、2015年10月に創業50周年を迎えました。
2万4千人を超える社員を擁するソラストは、全国の医療機関から医療事務を受託する医療関連受託サービスをはじめ、首都圏、関西圏、名古屋地区で訪問介護や通所介護など在宅系を軸とした「介護サービス」、東京都認証保育を中心とした「保育サービス」を展開しています。2016年3月期の売上高は630億円です。