
陸上自衛隊日出生台演習場(大分県)で4月、戦車射撃訓練中に「10式戦車」の砲弾が破裂して隊員4人が死傷した事故で、砲弾が原因だったとみられることが防衛省関係者への取材で判明した。弾を撃ち出す円筒状の砲身内に残骸が残ったことで、次の砲弾を込めた際に暴発したとみられる。防衛省は年内にも事故調査結果を公表する方向で調整している。
事故は4月21日午前8時40分ごろ、陸自西部方面戦車隊の実弾を用いた訓練中に発生。砲塔と呼ばれる、戦車上部の回転式の火器発射装置内で120ミリ対戦車りゅう弾が破裂。砲塔内にいた3人が死亡し、砲塔から離れた位置にいた1人も重傷を負った。
10式戦車は砲塔内に格納された砲弾を、ベルトを通じて砲身に自動で装塡(そうてん)する構造。装塡後に砲身を密閉し、手動でボタンを押して発射する。防衛省関係者によると、120ミリ対戦車りゅう弾は発射されると焼失するが、まれに残骸が砲身内に残ることがあるという。
訓練には6両の10式戦車が参加し、事故車両は何発か射撃していた。次の射撃に移るために新たな砲弾を装塡した際、直前の砲弾が不完全燃焼して砲身内に残骸が残っていたため、何らかの反応が起きて暴発。爆風を密閉するための閉鎖機が閉まっていなかったため、砲塔内の隊員が巻き込まれたとみられる。
10式戦車は2010年に制式採用された国産の戦車で、25年度末時点で北海道や西部方面戦車隊が拠点とする玖珠駐屯地(大分県)などに計約120両を保有している。【宮城裕也】
