
撤去工事が進んでいたJR宇都宮駅西口北側の上りエスカレーターについてJR東日本は2日、工事を中止し、3日朝にもエスカレーターの運用を再開する方針を明らかにした。エスカレーターの撤去については、市や県などから再考を促す要望が相次いでいた。
JR東日本などによると、同駅西側北口のエスカレーターは経年劣化が進んでいたことや、他にエレベーターなどの移動手段があることから、設備の更新を見送り廃止する方針だった。10月22日に仮囲いが設置され、撤去工事が開始されていた。
一方、翌23日の宇都宮市の定例記者会見で、佐藤栄一市長は「JR宇都宮駅は1日の乗降客が約7万2000人と、市内で最も人が集まる場所。エスカレーターの廃止は市民のニーズに合わない」などと述べ、県と共同で、JR東日本に対し、廃止方針の再検討を申し入れたと明かした。
また、同月27日には市議会の自民会派が、エスカレーターの存続を求める要望書を佐藤市長に提出するなどしていた。
撤去工事が進む中、JR東日本は10月30日、一転して県と市の幹部にエレベーターの存続を伝えた。市幹部は、行政の要望で、鉄道会社の駅整備の計画が変わることは「極めて希(まれ)なケースではないか」と語る。
JR東日本の担当者は毎日新聞の取材に対し、市の「JR東日本宇都宮駅西口周辺地区整備基本計画」などへの影響を精査した結果、「エスカレーターの撤去は時期尚早だと判断した。(同駅には)交通結節点としての役割があり、駅の将来の可能性を残すという観点から工事を見送ることにした」と説明。方針を転換させた時期や工事内容については「差し控える」とした。3日の始発からエスカレーターを再稼働させる。
佐藤市長は2日、エスカレーター存続について「存続は、駅利用者の利便性が引き続き確保され、大変喜ばしいことと感じている」とコメントした。【白川徹】
