
愛知・名古屋アジア大会が4日、閉幕する。日本選手団の輝かしい活躍以上に目立ったのは、頻発する運営トラブルだった。大規模スポーツイベントに詳しい専門家の目には、今大会はどのように映ったのか。
早稲田大・松本泰介教授(スポーツガバナンス)
運営の難しさに注目集まる
大規模イベントのコストに対して、世間の目が厳しくなっている。携わる行政側はいくら経費をかけるのかが常に問われる。ただ運営には実際、コストがかかる。完璧を求めすぎると、国内では招致すらできなくなってしまう。
国歌や輸送のミスが今回あったが、不慣れさ故とはいえ、これまでの大会では間違える部分ではなかった。良くも悪くも(今大会の運営に関与しなかった)大手広告代理店がつくったパッケージがあり、さらにこなれた人たちが担当し続けたからと言える。だが独占が強まると、コストが莫大(ばくだい)にもなる。日本が抱える構造的な問題だ。
運営のトラブルが目立ったが、逆に言えば難しさが注目され、運営についての認知が深まった側面もある。
これまでになかった運営の担い手の選択肢を増やすためにも、業界全体を見守り、育てる視点も大事ではないか。選択肢が増えればコスト面でも貢献は大きく、いろいろな都市が招致へ手を上げやすくなる。【聞き手・藤顕一郎】
松本泰介(まつもと・たいすけ)
1980年生まれ。京都大卒。2005年に弁護士登録し、22年から早稲田大スポーツ科学学術院教授。同大のスポーツビジネス研究所所長でもある。専門はスポーツガバナンス。日本スポーツ法学会の理事も務める。
