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再び銀幕を 福岡の「中洲大洋」、27年に営業再開へ CF開始


 福岡の多くの映画ファンに78年間愛されながら、老朽化を理由に2024年に閉館した映画館「大洋映画劇場」=通称「中洲大洋」=(福岡市博多区)が、27年3月ごろに営業を再開すると発表した。座席などの購入のため、クラウドファンディング(CF)を始め、かつて映画の街だった中洲に再び銀幕の灯がともる。

来場者に寄り添い78年

 中洲大洋は終戦翌年の46年、社長の岡部章蔵さん(75)の祖父重蔵さんと、戦争から復員した父章一さんが「敗戦ですさんだ生活を送る人たちを娯楽で元気づけよう」と設立。

 上映作品は名作から最新作まで多ジャンルに及んだ。高齢客向けに歌舞伎の舞台映像などの上映や亡くなった俳優の追悼上映会でファンの思いに応えて寄せられた贈り物を館内に展示するなど、地域の映画館として来場者に寄り添い続けた。開館から78年間の総来場者数は計約2000万人を超え、昭和から令和まで老若男女に親しまれた。

 だが建築から70年以上がたち、老朽化が進んだ建物は地震で倒壊する恐れがあることから取り壊すことが決まり、24年3月に幕を下ろした。

 突然の閉館の知らせに2000通を超える惜しむ声が寄せられ、最終日には多くのファンが駆けつけた。その光景に胸を打たれた岡部社長らが思いに応えたいと再開に踏み切った。

再開の劇場、以前の面影も

 再開する劇場は中洲大洋の跡地で、不動産大手「野村不動産」(東京)が開発する地上10階建てのオフィスや店舗が入居する複合ビルの3階に入る。ミニシアターで、旧館同様に名作から最新作までを上映する予定だ。

 モダンとレトロが融合するような外観や欧州調の内装が特長だった中洲大洋。再開する劇場には以前の面影も残す計画。旧館にあった「TAIYO THEATRE」の看板を再現し、ビル壁面に掲げる。旧館のような曲線状の外観に、かつて劇場前にあったガス灯も設置する。劇場内には映画の余韻を語り合えるようなロビーやポップコーン、スイーツなどを販売するカフェもできる。

 岡部社長は「動画配信などで手軽に見られる時代だからこそ、劇場で居合わせた客同士、感動を共有できる場が大切だと思う。これからも人生に寄り添う映画館として再び幕を上げたい」と語る。

 CFは8月下旬に開始し、8月31日時点で寄付額は約470万円に達した。寄付の目標額は12月18日までに1000万円。劇場の座席購入費などに充てられる。個人が3000円、企業が10万円から受け付け、金額に応じてオリジナルグッズやスクリーンに名前の投影、旧館で使用していた座席などの返礼がある。問い合わせは、大洋映画劇場(contact@nakasu-taiyo.co.jp)【田崎春菜】

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