
鹿児島県のトカラ列島近海で地震が相次いでいます。交流サイト(SNS)では「トカラの法則」という投稿が見られ、大地震の予兆だと指摘する人もいます。1分で読めて役に立つ「サクッとニュース」、今回は「『トカラの法則』は信じていいの?」について解説します。
Q トカラ列島近海で地震がたくさん起きているって聞いたよ。どれくらい多いの?
A 鹿児島県・トカラ列島近海を震源とする地震の発生から1日で10日間が過ぎ、福岡管区気象台によると、1日午前11時までに観測した震度1以上の揺れは740回を数えました。
Q 「トカラの法則」って言われているけど。
A 「トカラの法則」とは、トカラ列島近海で地震が多発すると、その後に日本の別の場所で大地震が起きるという俗説です。
Q この法則は本当なの?
A いいえ、熊本大学の横瀬久芳准教授など専門家は「科学的な根拠はない」とはっきり否定しています。
Q どうしてこの俗説が広まったの?
A 2016年ごろからSNSで話題になり始めました。当初は「トカラで地震が多いと桜島が噴火する」という内容でしたが、だんだん「大地震が起きる」に変わっていきました。
Q 実際に大地震の前にトカラで地震があったの?
A 16年の熊本地震や24年の能登半島地震の前にも、トカラ列島近海で地震がありましたが、偶然の可能性が高いとされています。
Q トカラ列島近海はどうして地震が多いの?
A トカラ列島周辺の海底では、フィリピン海プレートが陸側のプレートに沈み込んでいて、特殊な地形の影響で普段から地震が多い場所です。
Q 今回の地震は大きいの?
A 今回の地震はすべて小規模で、巨大地震を誘発することは考えにくいと専門家は話しています。
Q 7月に日本で大災害が起きるっていう話もあるとか。
A 漫画家・たつき諒さんの作品「私が見た未来 完全版」や、香港の風水師の動画などがきっかけで、「2025年7月に大災害が来る」という予言が広まりました。
Q こっちは信じていいの?
A 気象庁は「日時と場所を特定した地震予知はデマ」とホームページで説明しています。科学的根拠はありません。