
イランとイスラエルの間で攻撃が続く中、米軍がイラン中部にある三つの核施設を攻撃しました。中でも、フォルドゥはイラン核施設の中心的な存在で、注目されています。今回は、2012年に現地を取材した記者の体験をもとに、フォルドゥ村やイランの人々の考えについて解説します。
Q イランのフォルドゥ村ってどんな場所なの?
A フォルドゥ村はイラン中部の山あいにある小さな村です。主な産業はサクランボ栽培で、のどかな農村です。
Q どうして「反米の村」って呼ばれているのかな。
A フォルドゥ村は「殉教者の村」とも呼ばれています。イラン・イラク戦争で多くの若者が亡くなり、村の人たちはアメリカに強い反感を持つようになりました。村のあちこちに戦争で亡くなった人の写真が飾られています。
Q フォルドゥ村の名前が核施設につけられたの?
A 実は、核施設が村の近くにあるだけでなく、村が「反米」の象徴とされているから、名前が使われたとも考えられています。
Q イランの人たちは、どうしてアメリカを嫌っているの?
A イランでは、1979年のイスラム革命以降、アメリカへの不信感が強まりました。イラン・イラク戦争のとき、アメリカがイラク側を支援したことや、国際社会がイラクの化学兵器使用を厳しく非難しなかったことが、イランの人たちにとって大きな不満となっています。
Q イランの核開発って、何のためにやっているのかな。
A イラン政府は「平和的な目的」で核開発をしていると説明し、医療や農業に使うための技術だと主張しています。
Q イランは核兵器を持っているの?
A イランは核拡散防止条約(NPT)に加盟していて、国際原子力機関(IAEA)の監視を受けています。今のところ、核兵器を持っているとは確認されていません。
Q イランの人たちは攻撃されるのが怖くないの?
A 心配になりますよね。でも、取材に答えたフォルドゥ村の人たちは「国のためなら戦う」と話していました。イランの歴史や宗教、家族を守る気持ちが強いので、攻撃を恐れない人も多いようです。