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「怒らせたら治療が…」 インプラントで詐欺被害 女性が感じた不安


千葉市内で歯科医院の元院長、高橋仁一容疑者が、インプラント治療の患者に嘘の説明をして現金を騙し取ったとして逮捕されました。被害者の一人、県内の50代女性は、200万円を前払いしたにもかかわらず、治療は繰り返し延期され、返金もされない状況に苦しみました。彼女は母の勧めでインプラント治療を受けることに決めましたが、高橋容疑者から治療費を全額返還するという偽りの約束のもとで追加の支払いを求められました。この事件に関して、警察には十数人から計1億円以上の被害届や相談が寄せられ、現在も多くの患者がトラブルを抱えています。女性は「高橋容疑者には少しずつでもいいから返金してほしい」と訴えています。

 千葉市内の歯科医院の元院長がインプラント治療の患者にうその説明をして現金をだましとったとして、詐欺容疑で逮捕された事件。被害にあった県内の女性(50代)は手術を何度も先延ばしされ、返金もされないままだ。「怒らせたら治療がうまくいかなくなる」と不安を抱えていた当時の状況を振り返った。

 4年前、女性は虫歯でもろくなった歯が欠けて、食べづらさを感じていた。母の勧めもあり、あごの骨に人工歯根を埋め込んで人工の歯を設けるインプラント治療を受けることにした。

 インターネットで「インプラント名医」と検索し、「高橋デンタルオフィス」(千葉市中央区、現在は閉鎖)の元院長、高橋仁一容疑者(58)を見つけた。歯4本の治療を決め、200万円を前払いした。

 その2週間後、高橋容疑者から「今から大切な話があります」と直接呼び出された。高橋容疑者は「歯の治療の資料を学会で使わせてほしい」「この資料を使わせてもらった人に、メーカーから治療費が全額戻ってくる」と言い、その前提条件として、治療費と同額の協力金を現金で支払うよう求めた。

 女性は少し迷ったが、夫に相談した上で、現金の返還を約束する書面を高橋院長と交わし、翌日に200万円を手渡した。

 だが、一向に治療は進まなかった。高橋容疑者は血液検査を繰り返し、「スイス製のインプラントが輸入できなくなった。アメリカ製のものがいつ入手できるか分からない」などと手術を何度も延期した。高橋容疑者と口論になることもあった。

 インプラントが埋め込まれないまま2年が経過し、女性は夫と同院を訪れて返金の督促状に署名させた。母が通っていた歯科医院に転院すると、半年ほどで治療が終わった。

 県警によると、高橋容疑者のインプラント治療を巡って十数人の患者から計1億円以上の詐欺の被害届や相談が寄せられている。それ以外にも治療や金銭などのトラブルについて約70人から相談があるという。

 高橋容疑者とトラブルになった患者らが被害者の会を作り、女性も参加した。転院先で「インプラントの埋め込みが浅すぎて治療できない」と告げられて入れ歯で過ごす人もいるという。

 女性は「歯がダメになり、今も苦しい思いをしている人がいっぱいいる。高橋容疑者には少しずつでもいいから返金してほしい」と話した。【林帆南、高橋晃一】

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