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生きづらさ抱えた女性を救ったゴスペル 米国最大級の大会で日本優勝


生きづらさを感じる女性たちがゴスペルを通じて救われ、米国の歴史ある大会で日本のゴスペルグループ「Sakura Japanese Choir」が優勝しました。グループは全国から集まったメンバーで構成されており、愛媛県からも5人が参加しました。メンバーたちは、日々の仕事や家庭のプレッシャーから解放されるためにゴスペル教室に通い続けており、ゴスペルは彼女たちの心の支えとなっています。ゴスペル指導者の本村洋子さんも、ゴスペルによって救われたと語ります。彼女はゴスペルの魅力を次世代に伝えるため、小中学校での講演活動も行っています。優勝を記念したコンサートが6月29日に開催され、ゴスペルのパワーがさらなる感動を与えることでしょう。

 仕事の重圧や家族の介護、夫との離婚……。生きづらさを抱える女性たちを救ってくれたのはゴスペルだった。ゴスペルの本場、米国で開催された歴史ある大会で、日本のゴスペルグループが優勝する快挙を成し遂げた。メンバーは全国から集まった計86人で、松山市からも40~50代の女性5人が参加した。女性たちは「歌っていなければ今の自分はない。世界一になれたのが夢のよう」と振り返る。

 優勝したのは、日本のゴスペルシンガー、TiAさんの呼びかけで結成した「Sakura Japanese Choir(サクラ・ジャパニーズ・クワイア)」。3月にSNSを通じてメンバーを募り、東京や新潟などの9~82歳の会社員、専業主婦らが参加した。1983年から続く米国最大級の大会「マクドナルド・ゴスペル・フェスト2025」のクワイア部門にエントリーし、事前審査で、ファイナリストに進出。5月10日に米国ニューヨーク州のタイムズスクエアで開かれた決勝大会で、パワフルな歌声を披露して世界一に。関係者によると、日本在住のグループが優勝するのは初めてという。

 愛媛から参加したのは、プロシンガーで松山市内のゴスペルグループを指導する本村洋子さん(43)▽ゴスペルグループ生で放課後児童支援員の清水秀子さん(56)▽主婦の南美穂子さん(58)▽歯科衛生士の山内恭子さん(54)▽自営業の窪田裕子さん(54)――。大会出場は初めてで、「グループ名が呼ばれた時、鳥肌が立った」と喜ぶ。

 どのメンバーも日々、仕事や介護、育児などで多忙な中、ゴスペル教室に通っており、歌うことが心のよりどころとなっている。

 指導する本村さん自身もゴスペルに救われた一人だ。ゴスペルとの出会いは中学時代。元々、歌うことが好きだったが、修道院が舞台のミュージカル映画「天使にラブ・ソングを」を見たのを機に、パワフルな音楽に魅了された。「好きすぎて100回以上は見た」という。

 ゴスペルは米国発祥の宗教音楽。過酷な労働を強いられた人々が心のよりどころに口ずさんだことが起源ともされ、嫌なことがあっても楽しく生きるという前向きなメッセージが込められた歌詞が多い。本村さんも子ども時代は学校になじめず、登校できなくなるなど、息苦しさを感じた時期もあったが、大きな声で歌っているときだけは、嫌なことを忘れることができた。

 音楽の専門的な学校に通うことなく、自分の力で歌を学び、1999年以降はさまざまなジャンルの曲を歌ったり、教えたりしてきたが、周囲の期待や重圧に押しつぶされそうになった時、救ってくれたのもゴスペルだった。「オーハッピーデー♪(ああ、幸せな日々)」。リズムに合わせ、体を揺らしながら歌うと、重かった気持ちがすっと軽くなった。「私のように生きづらさを感じる人たちに歌ってほしい」。18年からはゴスペルに重点を置いて指導することに決めた。

 現在は市民講座なども含め計6グループで、20~80代の約80人を指導。子どもたちにも魅力を伝えようと、小中学校での講演活動にも取り組む。本村さんは「歌う人にも、聴く人にもパワーを与えてくれるのがゴスペル。歌を通し、頑張る人たちを応援できたら」と目を輝かせた。

 優勝を記念したコンサートが6月29日午後1時と同3時、愛媛県美術館講堂(同市)で開催される。今回出演した5人に加え、本村さんが指導するグループのメンバーも出演する。観覧無料だが、立ち見の可能性あり。問い合わせは本村さん(090・2785・2839)。【広瀬晃子】

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