
大阪・関西万博の会場(大阪市此花区)で、蚊に似た羽虫「ユスリカ」が大量発生していることについて、滋賀県の三日月大造知事は27日の定例記者会見で「この時期、出てくるものだ。(ユスリカの一種の)びわこ虫と一緒に暮らす県民としては、騒ぎすぎるのもどうかなと思う。ユスリカも万博を見たいのでしょう」と述べ、大量発生を「看過できない」として対策に乗り出した吉村洋文大阪府知事と認識の違いを見せた。
万博協会によると、水上ショーなどが催される会場南側の「ウオータープラザ」付近で大量発生しているという。吉村知事は殺虫剤メーカーに駆除の協力を求めるなど「できる限りの対応を取っていきたい」と記者会見で発言。一方、三日月知事は「県内でもびわこ虫に困っている人はいるが、屋外での駆除の効果を見守りたい」と一歩引いた見方を示した。また、「ユスリカも生き物。ユスリカの命も考えながら、どう共生するかをみんなで考えたい」と述べた。
びわこ虫の対策についてまとめている県のホームページは「どれだけ多くても発生時期が過ぎるといなくなるので、琵琶湖における季節の風物詩だと思って温かく見守ってあげてください」と結んでいる。【北出昭】