
石破茂首相は25日、京都府舞鶴市の造船会社「ジャパンマリンユナイテッド」舞鶴事業所を視察した。同社関係者との意見交換で、日米の関税交渉に関連して造船分野での日米協力に意欲を示した。
首相は「日本は米国でいかなる雇用を創出できるか、その中で造船がどういう役割を果たすのか。日米が協力してどのような優位性を持ちうるかを議論したい」と語った。同社の広瀬崇社長は、造船分野では中国が急速にシェアを広げているとし、「世界の受注量の7割を中国が取っており日本は10%を維持できるかどうかの瀬戸際だ。国に支援してもらい、サプライチェーンを維持する勝負時だ」との認識を示した。
その後、首相は記者団の取材に、北極海航路などで使用される砕氷船に言及し「日本の技術にかなりの優位性がある。日米の協力にあたって一つのポイントになる」との考えを示した。
一方、トランプ米大統領が自らの交流サイト(SNS)で日本製鉄とUSスチールの提携を承認する意向を示したことについては「まだ詳細に語る段階にはない。アメリカ政府の正式な発表を待ちたい」と述べるにとどめた。トランプ氏はSNSで、両社について「これは計画的なパートナーシップだ」などと投稿していた。【大野航太郎】