
2025年春の新入社員に実施した民間調査によると、「定年まで同じ会社で働きたい」と回答した人が全体の3割超を占め、昨年より増加した。退職代行サービスがもてはやされ、早期退職する若者が注目されるが、定年まで勤め続けたいと、安定を求める若者も少なくないようだ。
調査はNCBリサーチ&コンサルティング(福岡市)が3~4月に実施。九州や中国地方で同社の新入社員セミナー・研修に参加した878人の回答をまとめた。
就職活動の結果、希望していた会社に就職できたか尋ねると、「希望どおり」が62・4%を占めた。調査を開始した12年以降で最も高い割合となった。「ほぼ希望どおり」(34・5%)を合わせると96・9%に達し、人手不足の売り手市場が続く中、満足度の高さがうかがえる。就職先を決める時に重視したことのトップは、前年同様「会社の雰囲気・イメージ」だった。
就職した会社でいつまで働くつもりか意向を聞くと、「定年まで」と答えた人が前年より8・6ポイント上昇し、36・9%となった。
逆に「いずれは転職したい」は11・6%、「自分に向かなければ転職したい」は22・8%、「いずれは独立・起業したい」は7・6%だった。転職や独立志向の人は計42・0%と、前年から11・5ポイント減った。
NCBリサーチ&コンサルティングは「就職先への満足度が高まったこともあり、安定を求める傾向が反映されている」と分析した。【嶋田夕子】