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トランプ氏、シリア暫定大統領と初の面会 両国首脳接触は25年ぶり


トランプ米大統領はサウジアラビアでの投資フォーラムで、アサド前政権時代にシリアに科した制裁を近く解除する方針を明かした。また、シリアのシャラア暫定大統領と会談し、イスラエルとの国交正常化やテロ対策での協力を求めた。会談にはサウジのムハンマド皇太子も同席し、トルコのエルドアン大統領が電話参加した。シャラア氏は、米国との共通の利益を強調し、シリアの石油・ガス開発への投資を呼びかけた。トランプ氏は新政権について「国を安定させ、平和を維持してほしい」と述べ、関係正常化の第一歩を踏み出したと表明。シリア隣国のイスラエルは、暫定政権に懸念を示している。

 トランプ米大統領は13日、サウジアラビアの首都リヤドで開かれた投資フォーラムで演説し、アサド前政権時代にシリアに科した制裁を近く解除する方針を示した。14日にはリヤドを訪れているシリアのシャラア暫定大統領と会談。米メディアによると、米国とシリアの首脳が接触するのは25年ぶりとなる。トランプ氏はシャラア氏にイスラエルとの国交正常化やテロ対策での協力を求めた。

 米紙ワシントン・ポストによると、両国首脳の接触は2000年にクリントン大統領(当時)とハフェズ・アサド大統領(同)が会談して以来。ホワイトハウスは事前に「あいさつ」程度だと説明していたが、実際には30分を超えた。

 暫定政権を支持するサウジの事実上の最高権力者ムハンマド皇太子が同席したほか、トルコのエルドアン大統領も電話で参加。両氏はトランプ氏にシリアへの制裁解除を要請していた。首脳会談の実施も呼びかけていたという。

 ホワイトハウスのレビット大統領報道官によると、トランプ氏は「あなたには歴史的な偉業を成し遂げる大きな機会がある」とシャラア氏を激励。その上で、イスラエルと一部のアラブ諸国が国交正常化した「アブラハム合意」にシリアも署名することを求めた。

 さらに、外国の「テロリスト」に国外退去を求める▽パレスチナ人「テロリスト」を追放する▽過激派組織「イスラム国」(IS)対策に協力する▽シリア北部にあるIS戦闘員らの収容施設の管理に責任を持つ――ことを要求した。

 これに対し、シャラア氏は、「(シリアから)イランが退いた後の重要な機会を認識している」とし、テロ対策とシリア国内にある化学兵器の廃絶に関して、米国との間に共通の利益があると強調。米企業がシリアの石油・ガス開発に投資するよう呼びかけた。

 トランプ氏は会談後、大統領専用機内で記者団に「素晴らしかった」と振り返り、「若くて魅力的で、タフな男だ。強い過去を持つ。ファイターだ」とシャラア氏を持ち上げた。

 シリアでは11年から内戦が続いていたが、昨年12月に反体制派「ハヤト・タハリール・シャム」(HTS)がアサド政権を打倒し、率いていたシャラア氏が暫定大統領となって新政権を樹立した。HTSは国際テロ組織アルカイダ系組織が前身で、米国などから「テロ組織」に指定されている。ただし、シャラア氏は女性や少数派の人権を尊重し、包括的な政府を樹立する方針を強調してきた。

 トランプ氏は13日の演説で、新政権について「国を安定させ、平和を維持してほしい」と述べ、「だからこそ、私の政権は10年以上ぶりに米国とシリアの関係を正常化するための第一歩を踏み出した」と表明。ルビオ国務長官が近く、シリアのシェイバニ外相とトルコで会談すると発表した。

 国営シリア・アラブ通信によると、シェイバニ氏は13日、トランプ氏が制裁解除を表明したことについて「シリア国民にとっては将来の安定や真の復興に向けた重要な転換点だ」と歓迎する声明を出した。

 一方、シリアの隣国イスラエルは暫定政権を危険視しており、シリア領内への空爆を繰り返している。【リヤド西田進一郎、カイロ金子淳】

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