
米メディアは13日、著名記者らによる新著の内容として、バイデン前大統領(82)が2024年大統領選で再選された場合に車椅子を使用することを側近らが検討していたと報じた。新著は、バイデン氏が24年6月に自身の大統領選のための資金集めパーティーを主催した俳優のジョージ・クルーニーさんを「認識できなかった」とも指摘しているという。
米国で今月20日に発売されるCNNアンカーのジェイク・タッパー氏とニュースサイト「アクシオス」記者のアレックス・トンプソン氏による共著「原罪」の内容として報じられた。
CNNやアクシオスが伝えた新著の抜粋によると、バイデン氏は24年6月にイタリアで開催された主要7カ国首脳会議(G7サミット)から帰国した直後、民主党員で長年交流のあるクルーニーさんが自身のために主催したパーティーに出席した。
クルーニーさんがあいさつに訪れて、側近から「ジョージですよ」と告げられると、バイデン氏は「はい、はい」と応じ、「来てくれてありがとう」と話したという。
タッパー氏らは、バイデン氏が「クルーニーさんを認識できなかったことは明らかだ」と指摘。このエピソードは、高齢不安を再燃させた6月27日の討論会を経て、7月10日付の米紙ニューヨーク・タイムズへの寄稿でクルーニーさんがバイデン氏の撤退を呼びかけるに至った経過と符合するとしている。
一方、バイデン氏は23~24年に歩行などで体力の著しい衰えがあったことから側近たちが車椅子の使用を検討した。しかし、大統領選の期間中は「政治的に許されない」と判断。バイデン氏に滑りにくいスニーカーを履かせるなどの転倒防止策に注力したという。
バイデン氏は今月8日にABCテレビの番組に生出演し、認知機能や体力に衰えがあったとの見方を否定。選挙戦撤退後の在任期間中も「かなり良い仕事をしていた」と自賛していた。【ワシントン金寿英】