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「天才贋作師」の問題作を無料展示 購入経緯説明も 徳島県立美術館


徳島県立近代美術館は、同館が所蔵する油彩画が「天才贋作師」による贋作と判明したことを受け、該当作品「自転車乗り」を11日から無料スペースで報告展示する。1899年に購入され、長らく本物とされていたこの作品は昨年になって贋作と断定された。これを受けて美術館は、来館者に購入経緯や贋作と判明した詳細を説明することで信頼回復を図りたいとし、展示の計画を立てた。さらに、一部の日には学芸員による概要説明と質疑応答を行う。今回の展示は、贋作の鑑定書公開は見送られるが、展示を通じて多くの意見を収集したいとしている。

 厳しい批判も甘んじて受けます――。所蔵する油彩画が「天才贋作(がんさく)師」による作品と判明した徳島県立近代美術館(徳島市)は8日、問題作を11日から館内1階ギャラリー前の無料スペースで「報告展示」すると発表した。作品は疑惑浮上前には、有料の2階展示室で公開していた。

 展示されるのはフランスのキュービズム画家、ジャン・メッツァンジェ(1883~1956年)が1911~12年に制作したとされてきた「自転車乗り」(縦55センチ、横46センチ)。99年1月に6720万円で画商を営む大阪市の会社から購入したが、昨年になって外部からの指摘があり、精査した結果、2011年に贋作事件で実刑判決を受けたドイツ人、ヴォルフガング・ベルトラッキ氏が手がけた贋作と断定した。

 美術館は「自転車乗り」に加え、購入時に本物と判断した経緯などを説明したパネル2枚をガラスケースに収めて6月15日まで展示する。その後、展示する計画は現時点でないという。

 また、11、13、24、28各日と6月の7、8、12各日の午前10時半と午後2時から半時間程度、学芸員が概要の説明会を開き、来館者の質問にも可能な限り、答えるという。

 「自転車乗り」を巡っては、疑惑浮上後、「どんな作品か見てみたい」という声が美術館に寄せられていたほか、どういう経緯で本物と判断したかなどを知ってもらい信頼回復に結びつけたいとの考えがあり、報告展示を決めた。

 「自転車乗り」の購入時には、鑑定書も付いていて、美術館が「本物」と判断する大きな理由の一つとなった。だが、作成した鑑定者はベルトラッキ氏による贋作事件の捜査段階で贋作と証言し、その信頼性が崩れていた。今回の報告展示では、鑑定書の公開は見送るという。

 担当者は「所蔵品が贋作というのはあってはならないこと。どういう点を評価したかなど説明し、理解していただきたい。意見を聞き、受け止めたいので、できるだけ多くの人に見てほしい」と来館を呼び掛けている。

 美術館の開館時間は午前9時半~午後5時。月曜休館。問い合わせは美術館(088・668・1088)。

【植松晃一】

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