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滋賀・彦根市長選 石丸伸二氏応援の現職が僅差で破れる


27日に行われた滋賀県彦根市長選で、新人の田島一成氏が現職の和田裕行氏を破り初当選しました。投票率は43.24%で、前回を上回りました。田島氏は選挙中の個人演説会での反応の良さを当選の要因とし、今後の市政運営では職員との対話を通じた徹底的なチェックを行うことを表明しました。特に、現職が進めていたごみ処理場計画の見直しを訴え、新しい市政の方針を示しました。一方、和田氏は財政再建や自主財源の増加を実績として強調しましたが、対話の不足が批判され、1期で市長職を終える結果となりました。選挙戦では、石丸氏との連携やフリースクールの支援を巡る対話不足も争点となり、田島氏が多様な市民の声に耳を傾けることを約束しました。

 任期満了に伴う滋賀県彦根市長選が27日、投開票され、新人で元衆院議員の田島一成氏(62)が現職の和田裕行氏(54)を破って初当選を果たした。当日有権者数は8万9077人。投票率は前回を4・6ポイント上回る43・24%だった。【西村浩一、伊藤信司】

 同市西今町の選挙事務所には市政刷新を求める住民グループ、県議、市議らが詰めかけ朗報を待った。午後11時前、2度目の開票速報がテレビに映し出され開票率97・1%で1000票差をつけて田島氏がリードしている状況が伝えられると、支持者らは大きな歓声とともに手拍子を打って田島氏の来場を待ち受けた。間もなく日焼けした田島氏が到着。支持者らの握手攻めを受けた後、全員でバンザイ三唱。次々と大きな花束を贈られて激戦を振り返った。

 「(僅差の結果で)まだ実感がないですが、選挙中、個人演説会の反応がすごく良かった。(当選は)対話で作る彦根という訴えに、多くの人たちに1票を入れてもらえた結果だと思う」

 県内最悪レベルとされる財政の再建については「職員との対話を通じ、施策や行政事務について、本当に適切か、無理や無駄がないかを徹底的にチェックした上で、予算の組み替えや編成にあたりたい」と表明。広域ごみ処理場計画については、和田市長が進めてきた「トンネルコンポスト方式」の中止を明言。「早く計画を進めなければならず、広域組合なのでまず4町に話の道筋をお話ししたうえで、大久保(貴)市政で決まっていた彦根市西清崎地区の地権者のみなさんと対話の機会を持ちたい」などと述べた。

 再選を目指した和田氏は財政を立て直し、自主財源額が過去最高となった実績を強調。前広島県安芸高田市長の石丸伸二氏とも連携し、街宣よりもユーチューブなどで政策を訴える選挙運動を進めた。しかし、反対署名運動を押し切っての児童館閉鎖、前例の少ないごみ処理場計画などに「対話が少ない」と批判が集まり、「現職の信任投票」と位置づけた戦いを制すことはできなかった。

和田氏1期で幕引き、蜜月の石丸氏に疑惑の目も

 彦根市長選は和田市政がわずか1期4年で幕を引くという異例の結果となった。告示前日にも記事化した以下の3争点を、有権者はどう判断したのだろうか。

 「財政再建」については、やはり和田氏に分があった。市長就任時「毎年20億円以上赤字が出る」と危ぶまれたほどだったが、事業中止や先延ばしで計12億円以上を節約。ふるさと納税寄付金や市税収入も過去最高にまで伸ばし、破綻を防いだ。一方、田島氏は巨額負債を残した大久保貴前市長を応援した過去があった。

 二つ目の「石丸氏への評価」。和田氏は都知事選で次点となった石丸氏との連携を推進した。突然のトークショーや1日市長、財政説明会での対談、「ふるさと納税大使」にも委嘱。今回選挙でも度々駆けつけてもらった。ところが終盤になって、石丸氏の安芸高田市議に対する名誉毀損(きそん)が最高裁で確定。これを機に両氏の蜜月ぶりに疑問の目が広がった。

 最後のテーマは「市民との対話」。昨年9月、市内フリースクールが公的支援を求めて3回目の署名簿提出をした。しかし、前回まで出席していた市教育長は私用を理由に姿を見せなかった。こういった現市政に田島氏は異議を唱え、多様な市民の声を聞く集会を公約。市長報酬も2割カットし、フリースクール支援などに充てたいとした。

 イソップ童話「北風と太陽」の例えもある。和田氏は収支改善策を断行するばかりでなく、彦根復活への熱意を、住民に語りかけるべきではなかったか。また和田氏は「全体最適を進めたため、政治屋、既得権者が相手陣営に集結した」と訴えた。そんな疑念を払いのけ、和田市政のバージョンアップができるのか――。「政治家最後の挑戦」で当選した田島氏の今後を見守りたい。【伊藤信司】

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