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不適切指導の実態調査を 「指導死」遺族らがCFで資金集め呼び掛け


「指導死」の遺族らで構成される「安全な生徒指導を考える会」が、不適切な指導による子供の自殺を防ぐため、大規模な実態調査をクラウドファンディングで実施する。目標金額は100万円で、調査結果は子供たちに及ぼす影響や不適切指導の発生状況を明らかにし、その後の具体的な対策策定に活かす予定。文部科学省は教員の不適切指導について処分件数を公表しているが、同会は処分に至らないケースや具体的な事例が不明確であることを問題視し、より詳細な調査の必要性を訴えている。調査結果は教育関係者や児童生徒にとっての啓発になることを期待している。シンポジウムも5月に開催予定。

 教員による不適切な指導について大規模実態調査を行うため、行き過ぎた指導で子供が自ら命を絶った「指導死」の遺族らでつくる「安全な生徒指導を考える会」(東京都)がクラウドファンディング(CF)を始めた。目標金額は5月4日までに100万円。CFサイト「CAMPFIRE(キャンプファイヤー)」(https://camp-fire.jp/projects/832077/view)で受け付けている。

 不適切な指導が原因で起こる不登校や自殺の防止に向け、同会は2021年に発足、文部科学省に要望するなどの活動を行ってきた。不適切な指導とは、大声で怒鳴るなど威圧的、感情的な言動をしたり、連帯責任を負わせることで必要以上の負担感や罪悪感を与えたりすること。文科省の生徒指導の基本書で「不登校や自殺のきっかけになる場合もある」と言及されている。

 同会は、不適切な指導の実態把握に向けて、児童生徒らへの調査を文科省に要望してきた。文科省は、不適切な指導や言動について、22年度分より教員の処分件数の公表を開始。23年度には全国の国公私立の小中学校、高校などで、不適切な指導や言動で懲戒処分などをうけた教員は696人、対象となった児童生徒が2102人いたことが分かっている。「事実確認が不十分なまま思い込みでの指導」など、態様別の件数も公表している。

 ただ、処分に至らなかったケースもあるとみられるほか、具体的な指導内容や経緯も明らかにされておらず、同会は独自に実態調査に乗り出すことにした。複数の自治体と連携し、児童生徒と教員数千人に不適切な指導の経験や経緯などを尋ねるアンケートの実施を目指している。回答は専門家らが分析し、不適切な指導が起こりやすい状況や発生頻度などを明らかにする。児童生徒にもたらす影響なども調査する。実現すれば、全国初の大規模実態調査になるという。一部自治体からは既に協力を取り付けている。

 同会は「不適切な指導の詳細な実態や傾向が分かれば、具体的な対策も可能になる。調査すること自体が啓発にもなる。CFを通じて多くの人に調査に関わってもらいたい」と話している。

 また、同会では5月21日にシンポジウムを予定している。詳細は投稿サイト「note」(https://note.com/sido_u_)で告知する。【若狭幸治】

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