
2024年7月、プールでの水泳授業中に高知市立長浜小4年の松本凰汰(こうた)さん(当時9歳)が溺死した事故を受けて、高知市教育委員会は小学校向けの「水泳授業の安全管理マニュアル」を作成した。研修などを経て6月中旬に水泳の授業を再開したい考えだ。
文部科学省が示す「水泳指導の手引」を基に、事故検証委員会が25年3月にまとめた報告書で提示された再発防止策の内容を盛り込んだ。
具体的には、プール監視は大きなプールでは授業担当者2人と監視者1人の3人以上▽授業担当者はゴーグルを付けて水中を確認▽児童は2人1組のペア(バディ)で互いに安全を確認▽水位は多くの児童のへそから胸当たり、全ての児童の両肩が水面から出るラインが目安――などを示した。
市教委は16日、市議会経済文教委員会でマニュアルの内容を報告した。今後、各校で安全管理指針を作成。市教委は5月に研修会を開催するとともに、各校を訪問して安全管理体制をチェックする。永野隆史・市教育長は「事故で失われた生命の重さを刻み込み、安全・安心な授業を徹底させたい」と話している。【小林理】