
英国の国防省は20日、ロシアのウクライナ侵攻を巡り、2022年の開始以降の露軍の戦死者数は20万~25万人との推計を明らかにした。死傷者全体では約90万人とみて、ロシアにとって第二次大戦以降で最大の人的損失と分析している。X(ツイッター)への投稿で発表した。
英国防省は、露軍の死傷者が多数となっている背景として、プーチン政権や露軍指導部が「戦争目標の達成を軍人の犠牲より優先している模様だ」と指摘した。ロシアの世論やエリート層が戦争への支持を続け、兵員の確保が続く限りは、戦場での高い死傷率をおおむね許容する用意があるとみる。
兵員確保に関して、露政権は、経済的に恵まれない地域の少数民族出身者の「命の価値」を軽視し、こうした人々の勧誘を積極的に実施していると分析。首都モスクワなど大都市のロシア民族出身者が戦場に立つ割合は少なく、差別的な取り扱いが続いているという。【真野森作】