
石破茂首相は13日の衆院予算委員会で、「高額療養費制度」を巡る方針変更で2025年度当初予算案を再修正することについて「衆院を通過した後に再度修正することになった経緯については大変申し訳ない」と陳謝した。負担上限額の引き上げを巡っては「来年度中に何らかの見直しを施行することは考えていない」と述べ、今後の方針を秋までに検討すると改めて強調した。
首相は予算委冒頭で発言を求め、一連の経緯について陳謝。質疑では、立憲民主党の野田佳彦代表が「もっと早く患者団体に会うべきだった」などと指摘したのに対し「何とかご理解をいただくに至ったと判断をした私の判断が間違いだった。衆院の審議段階で会っておくべきだったというご指摘はその通りだ。大変申し訳ない」と低姿勢で答弁を繰り返した。
今後の検討作業には自身が関与する姿勢も強調。「厚生労働省任せにすることなく、私自身も議論に参画をして、よく注意をしながらこれが最善だと自分で理解ができるところまでやっていきたい」と述べた。
首相はまた、年金制度改革関連法案を巡って、政府が13日、目安とされる14日までに提出できないと報告したことについて「さまざまな意見があり、調整に時間を要していると理解している」と説明。「今国会への法案提出に向け、党内の調整を急いで進めるよう党に対して改めて指示をした」と語った。
高額療養費制度や年金制度改革関連法案への対応を巡っては、野田氏が福岡資麿厚労相の責任を追及したが、首相は「(福岡氏は)誠心誠意、厚生労働政策に取り組んできた。引き続き、全身全霊対応に当たると申し上げたい」とかわした。【樋口淳也】