
長崎大病院(長崎市)は19日、病院の検査で70代男性患者の早期食道がんを発見したのに、約3年半治療せずに放置していたことが判明したと発表した。
病院によると、患者は2021年4月に耳鼻咽喉(いんこう)科で検査を受け、下咽頭(かいんとう)がんと診断された。重複がんの有無を調べる内視鏡検査をし、早期食道がんも見つかった。病院は下咽頭がんの治療はしたが、早期食道がんについては患者への告知や治療を担当する消化器内科への連絡がなされていなかった。
耳鼻咽喉科の担当医は23年に退職。交代した担当医が24年10月に早期食道がんが放置されているのに気付いた。病院は元担当医が告知や連絡を失念していたと判断し、患者に謝罪。病院は24年10月に実施した食道がんの検査結果について「病変は拡大していたが、進行度は変わっていないことが確認された」としている。
室田浩之副院長は記者会見で「今回の事態を重く受け止め、安全管理態勢のさらなる強化に努めていく」と話した。【百田梨花】