
宇都宮市東消防署は17日、炎上した事故車両から20代の女性を救出し、初期消火に貢献した男性3人に感謝状を贈った。女性は軽傷で、火災による周辺への影響もなかった。
昨年12月4日午前11時半ごろ、車を運転していた会社員の滝口淳二さん(55)は、中央分離帯を越え、反対車線の縁石に衝突する車両を目撃。駆け寄るとボンネットから炎が上がる車の中で、女性が放心状態になっていた。迷わず、女性を抱きかかえて救出した。「同じ年ごろの娘がいるので、ひとごとではなかった」と振り返る。
続いて、運送業役員の深井悟さん(43)が救助に加わった。救急車が到着するまでの間、女性を自身の車に乗せ、安全を確保した。
事故現場の前にあるビルで測量・不動産業を経営する平出直さん(72)は、4階事務所から事故を目撃。社員らとともに消火器を持って駆けつけ、車両の消火にあたった。
同署で行われた表彰式で、稲見昌紀署長は「勇敢な行動と冷静な判断は、市民の模範」と感謝状を贈った。滝口さんは「偶然にも皆さんがいて、大きな事故にならなくて良かった。何かあったときに助け合うことが大切だと、改めて実感した」と話した。【松沢真美】