
特殊詐欺を未然に防いだとして、大阪府警羽曳野署は5日、主婦2人に感謝状を贈った。2人はそれぞれ、電話をしながらATM(現金自動受払機)を操作する高齢者を見て詐欺を疑い、被害に遭うのを防いだ。西祐司署長は「声をかけてくれた勇気に感謝したい」とたたえた。
2人は藤井寺市の青笹有佳さん(37)と、松原市の森田英恵さん(45)。
青笹さんは2月11日、長男で小学校1年の愛大(あいと)さん(7)と一緒に藤井寺市内の郵便局を訪れた。ATMを操作していたところ、隣で電話をしながらATMを操作しようとする女性(74)を発見。女性が「今着きました」「送金」などと話していたため不審に思い、「詐欺ちゃうの。おばあちゃん、手を止めよう」と声をかけ、110番した。
一方、森田さんは2月12日、藤井寺市の銀行のATMの前で、電話をする女性(82)に気づいた。その様子から詐欺ではないかと気になって声をかけ、近くの交番へ連れていって事情を説明したという。女性はだまされていたことに気付き、森田さんに「ありがとう」と感謝した。
羽曳野署で西署長から感謝状を受け取った青笹さんは「ためらったが、(特殊詐欺ではなかったら)謝ればいいと思って声をかけた。詐欺被害を止められて良かった」と話した。愛大さんは「おばあちゃんを助けて、かあちゃんはかっこよかった」と誇らしそうだった。
森田さんは「おかしいと思い、放ってはおけなかった」と当時を振り返った。【岩本一希】