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難民への門戸開放は「恩返し」ウガンダ パトリック・オケロ難民局長


ウガンダはアフリカ最大の難民受け入れ国として、約180万人の難民を受け入れています。この背景には、かつて内戦時にウガンダが周辺国からの支援を受けた経験が影響しています。ウガンダは難民に対し、土地の提供、自由な移動、食料・教育・医療サービスを提供し、自立を促しています。しかし、難民の急増により、資金や人員の不足、言語の壁といった課題が浮上しています。特に、国連からの人道支援が減少し、食料配給に影響を及ぼしています。ウガンダは国際社会に適切な支援を求めており、日本からの専門家派遣などの支援に感謝しています。

 アフリカ最大の難民受け入れ国・ウガンダで難民政策を取り仕切る首相府難民局のパトリック・オケロ局長(53)に現状や課題を聞いた。難民に寛容な政策をとる理由について、ウガンダがかつて受けた援助に報いる意味合いがあると説明。一方、必要な資金と要員の確保が課題となっているとして、国際社会に支援を呼びかけた。【聞き手・郡悠介】

 ウガンダにいる難民の数は近年大幅に増えている。2024年1月時点で約160万人だったが、その後の1年間で約180万人にまで増えた。特に最近は23年4月から激しい内戦が続くスーダンからの難民が多く、大勢の人々が毎日のように逃れてくる。

 難民がウガンダに集まる一番の理由は、彼らにとって住みやすい環境を整えているためだ。国内の治安は良く、命を狙われる心配はない。居住と耕作のために土地を提供して、農業などで稼げるよう自立を促す。さらに自由な移動を認め、食料支援や教育・医療サービスも行っている。

 なぜこのような「オープンドアポリシー(門戸開放政策)」を実施するのか。それはウガンダもかつて内戦が続き、不安定だった時期があるからだ。その間、多くのウガンダ人が難民として周辺国で受け入れてもらった。ウガンダが平和な環境に落ち着いたいま、今度は自分たちがその恩返しをする番だと考えている。

人道支援 金額が3分の1に

 一方で、難民の受け入れを巡る状況は日に日に厳しさを増している。難民登録などの業務量が増え、職員の数が足りなくなった。また、スーダン難民はアラビア語を話すため、ウガンダで主に話される英語では意思疎通できない「言語の壁」にも直面している。

 その上、国連を通じて集まる人道支援の金額が大幅に減っている。18年には約4億6000万ドル(約690億円)だったのに対し、直近では約1億5000万ドル(約230億円)しか集まっていない。難民の受け入れ人数が増えているのにもかかわらずだ。資金の限界によって食料配給も減らさざるを得ず、難民には空腹を強いている。

 大勢の難民を受け入れている国に対して適切に資源を分配しないと、政策の維持は難しくなる。日本からは資金援助に加え、国際協力機構(JICA)の専門家を難民局に派遣してもらい、政策へのアドバイス役として多大な貢献をしてもらっている。日本の皆さんには心から敬意を表したい。

         ◇

Patrick Okello

 1971年生まれ。ウガンダ政府機関の人事管理部門での経験が豊富で、保健省や首相府で人事局長を歴任。2024年から現職。

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