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鎌倉舞台のアニメ「龍神と黄金の太刀」、地元出身監督が完成報告


神奈川県鎌倉市出身のアニメーション監督、沼田心之介さんが手掛けた民話アニメ「龍神と黄金の太刀」が完成。沼田さんは、地元鎌倉の物語をアニメ化することに意欲を持っており、2018年度から計92作品を製作してきた。新田義貞が龍の神に助けを求めて海岸を通り鎌倉を攻めるという民話を題材に、海の満ち引きや安全を学べる内容となっている。初のAI技術を取り入れ、制作には新たな挑戦もあったという。本作は地域愛着の促進や歴史教育に資することを期待され、鎌倉市内の学校や図書館、YouTubeで視聴可能となる。

 神奈川県鎌倉市出身のアニメーション監督で、全国に伝わる海の民話の短編アニメを製作している沼田心之介さん(44)が21日、市役所を訪れ、鎌倉時代に鎌倉に攻め込んだ武士の新田義貞を描いたアニメ「龍神と黄金の太刀」の完成を報告した。2018年度からシリーズ92作品を製作してきた沼田さんは「初めから地元鎌倉の民話作品を作りたかった」と念願達成に満足げだった。

 沼田さんは、父親がテレビアニメ「まんが日本昔ばなし」の製作会社に勤めていたこともあり、アニメ製作の道を進んだ。一般社団法人「日本昔ばなし協会」と公益財団法人「日本財団」が、子どもに海との関わりや地域の誇りを語り継ぐ事業「海ノ民話のまちプロジェクト」に賛同し製作している。

 完成作品のあらすじは、新田が稲村ケ崎(現鎌倉市)の海岸を通って鎌倉に攻め込もうとしたが、当時の海岸は崖になっており、道が狭く通れなかった。そこで新田は龍の神様に祈って刀を海に投げ入れると、海の水が引いて通れるようになって鎌倉に攻め込むことができたというもの。最後には「海の水の満ち引きという自然の力を学べると共に海岸では気を付けて行動しようという教訓を得ることができる」というナレーションが入る。

 沼田さんは「今回初めてAI(人工知能)を使って製作した。鎧(よろい)とか馬とかを条件を付けて作ったものに人間の手を加えて調整する。ただ、まだAIは思った通りの絵や動きはできないので別の大変さがあった」と話した。

 完成作品のDVDを進呈された松尾崇市長は「鎌倉幕府滅亡は少し複雑な気持ちもあるが、栄枯盛衰の歴史を鎌倉の子どもがより深く知るのは大事。地域の愛着にもつながる」と述べた。今後、学校や図書館で見てもらう。動画投稿サイト「ユーチューブ」でも見ることができる。【福沢光一】

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