性的関係を強要されたとして女性から損害賠償を求める訴訟を起こされ、和解した大阪府岸和田市の永野耕平市長（46）＝大阪維新の会＝は5日、市役所で記者会見に応じ、維新が4日に決めた離党勧告処分について、「重く受け止める」と述べた。そのうえで「辞めるような悪いことをしたことはない」と市長を続ける考えを改めて示した。
永野氏がこれまで事実関係を説明してこなかったことから、維新は4日、十分な説明を8日までにしない場合は除名する方針を決めた。永野氏は5日、除名された場合に辞職する考えは変わらないとした。そして、内容を話せないという従来の姿勢を変え、「和解調書の内容を出していきたい」と述べ、何らかの説明に向けて相手方代理人と協議していくとした。
永野氏は3日付で維新に離党届を提出しており、「お騒がせしているため」と理由を説明した。離党届は党の預かりになっている。
市議会で、永野氏の責任を問い、不信任や辞職勧告、問責などの決議を提案する動きが模索されている。永野氏は「（決議が出た場合の対応は）その時に考えていきたい」と述べるにとどまった。
和解調書（11月14日付）によると、大阪地裁は永野氏について、「女性の就職や雇用維持を左右し得る優越的な立場で、社会的な上下関係が形成されていた」と指摘した。永野氏が女性に謝罪し、解決金500万円を支払う内容で合意した。永野氏は事実関係を説明しない理由として、「裁判で秘匿することになっている」ことを挙げている。【中村宰和、藤河匠】
