斎藤元彦・前兵庫県知事(47)の失職に伴う知事選(17日投開票)を巡り、同県市長会の有志は14日、無所属で立候補している前尼崎市長の稲村和美氏(52)を支持する意向を表明した。県内29市のうち22の市長が賛同しているという。投開票の3日前に大半の現職市長が特定の立候補者の支持を表明する事態となった。
県庁で記者会見を開いた市長会長の酒井隆明・丹波篠山市長は「これ以上の県政の混乱に終止符を打ってほしい」とし、尼崎市長を3期12年務めた稲村氏が新たな知事に適任だと主張した。
小野市の蓬萊(ほうらい)務市長は「デマや誹謗(ひぼう)中傷を許してよいのかと疑問に思った」と説明。選挙戦を巡ってSNS(ネット交流サービス)上などでさまざまな誹謗中傷が飛び交っており、この時期での意向表明となったという。
支持を明らかにしたのは、姫路▽尼崎▽西宮▽洲本▽伊丹▽相生▽加古川▽たつの▽赤穂▽宝塚▽三木▽高砂▽川西▽小野▽加西▽丹波篠山▽丹波▽南あわじ▽朝来▽淡路▽宍粟▽加東――の22市長。残り7市長は中立の立場を維持するなどの理由で加わっていないという。
知事選には稲村氏のほか、いずれも無所属で、清水貴之氏(50)▽斎藤氏▽大沢芳清氏(61)=共産党推薦▽福本繁幸氏(58)▽立花孝志氏(57)▽木島洋嗣氏(49)――が立候補している。【中尾卓英、山田麻未】