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「年収103万円の壁」解消で年7~8兆円減収 官房長官見解


林芳正官房長官は103万円の壁を解消する提案が国と地方で7兆〜8兆円の減収を招くと述べました。国民民主党は所得税の基礎控除を引き上げて年収103万円の壁を解消する方針で、所得税の非課税下限を178万円まで上げることを提案しています。林氏はこの政策のコストを指摘し、高所得者への税軽減の効果が大きいことについて公平性が課題と認識しています。一方、石破茂首相は自民党と公明党が大敗し、国民民主との政策協力を模索しています。

 林芳正官房長官は31日の記者会見で、国民民主党の主張通り「103万円の壁」を解消した場合、「国、地方で7兆~8兆円程度の減収と見込まれる」との見解を示した。

 国民民主は、年収が103万円を超えると所得税が課税され手取りが伸びなくなる「103万円の壁」の解消を目指し、基礎控除などの合計額を75万円引き上げ178万円とするよう求めている。

 林氏は「個別の政策の取り扱いは各政党間で議論されるべき事柄であり、政府としてのコメントは差し控える」とした上で、「単純に基礎控除の額を国と地方において75万円ずつ引き上げた場合の減収額を計算すると、国、地方で7兆~8兆円程度の減収と見込まれる」と語った。

 高所得者ほど税負担の軽減効果が大きく公平性が課題とされることに関しては「一般論として申し上げると、基礎控除などの所得控除は高所得者ほど減税の影響額が大きくなることは事実だ」と述べるにとどめた。

 石破茂首相は27日の衆院選で自民党、公明党が大敗し少数与党となったことを受け、国民民主とも政策ごとに協力する「部分連合」を視野に入れている。11月中に策定予定の経済対策に国民民主の主張を取り入れる方針だ。【鈴木悟】

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