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中国に巨大「豚ビル」 26階建ての養豚場「食いぶちは自分で保て」


中国の習近平国家主席は、食糧安全保障を国家の復興に欠かせない要素と強調し、食糧自給の重要性を訴えている。今年6月には「食糧安全保障法」が施行され、米中対立の長期化を背景に自給自足の重要性が増している。湖北省鄂州市では、26階建ての巨大養豚場が操業を開始。自動化技術を使い年間最大120万頭の豚を飼育することができる。このような取り組みは、豚肉の安定供給が国の安定に直結すると考える中国政府の意向を反映している。中国の食料自給率が過去の100%近くから7割強へと低下したことも、習近平氏が警戒感を強める要因となっている。

 中国の習近平国家主席は「食糧安全保障の主導権を確保してこそ、強国復興の主導権を握ることができる」と繰り返し、今年6月には「食糧安全保障法」も施行された。長引く米中対立を背景に「自分の食いぶちを保てなければ、他人に指図されることになる」とも語って危機感を強める習氏の「号令」を実践する現場を訪ねた。

 中国内陸部・湖北省鄂州市。市の中心部から幹線道路を南に進むと、突然巨大な建物が出現した。高層マンションかオフィスビルのようだが、よく見ると窓がない。

 実はこれは地元の人たちが「世界最大だ」と胸を張る26階建ての養豚場だ。元々セメントを扱う企業が40億元(約800億円)を投資して建設し、2022年秋から操業を開始した。給餌から清掃、消毒など多くの作業が自動化されており、それによって年間最大120万頭を飼育することが可能だという。

 古くから「猪糧安天下(豚肉と食糧が充足してこそ天下が安定する)」と例えられるだけに中国政府も豚肉の安定供給には神経をとがらせているようだ。

 「中国は自分で自分を養うべきだ」も習氏の持論だが、カロリーベースの食料自給率は00年前後のほぼ100%から、最近では7割強にまで下がってきている。これも習氏の危機感の背景だ。【北京・岡崎英遠】

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