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学徒出陣から81年 遺族が追悼「若い人に、戦争のこと考えて」


1943年の「学徒出陣」から81年、日本の大学生が戦争に動員された歴史を振り返る追悼式が国立競技場で開催されました。この「学徒出陣」は、太平洋戦争中に兵力不足を補うため、多くの大学生が兵士として徴集された出来事です。式典には遺族や関係者約20人が参加し、若くして命を落とした学徒たちを悼みました。碑は1993年に有志により建立され、近年ではその前で毎年追悼の意が表されています。元学徒たちの参加が減少する中、この歴史と記憶を次世代に伝える重要性が語られました。

 太平洋戦争中の1943年、大学生らが兵士として動員された「学徒出陣」の壮行会から81年の21日、犠牲者の追悼式典が国立競技場(東京都新宿区)の敷地内にある石碑「出陣学徒壮行の地」の前で開かれた。遺族ら約20人が参列し、学業半ばでなくなった学徒らを悼んだ。

 41年12月の開戦後、大学生や高等学校の生徒らは徴兵を猶予されていた。だが政府は43年9月、兵力不足を補うため理工医学系や教員養成学校などを除く在校生らの徴兵猶予を停止した。満20歳に達した学生・生徒は徴集され、12月に陸海軍いずれかに入ることになった。

 同年10月21日、国立競技場の前身である明治神宮外苑競技場で「出陣学徒壮行会」が開かれ、77校の学生約2万5000人が参加。5万人以上の観衆に見守られながら、雨でぬかるむ地面を小銃を担いだ学生たちが行進する姿が映像で残されている。

 式典の主催者の一人、玉川博己さん(76)の父親は東京帝国大在学中、81年前の壮行会に参加した。旧満州(現中国東北部)などを経て生還したという。玉川さんは「戦死していたら、自分はいなかった」と話した。

 碑は出陣から50年にあたる93年、有志によって国立競技場敷地内に建てられた。碑は同競技場建て替えで2014年に近隣の秩父宮ラグビー場(港区)へ移設されていたが、同競技場の完成にともない現在の地に移った。

 碑の前でほぼ毎年、追悼式が営まれてきた。かつては元学徒が集っていたが、高齢化が進み昨年に続き、出席者はいなかった。

 玉川さんは「日本が戦争をしていたことを知らない人たちが増える。たくさんの人が亡くなったことを知ってもらうためにも、こういう集いを続けていきたい」と話す。また、叔父が学徒出陣して戦死した杉浦利重さん(75)は「若い人たちに学徒出陣のこと、戦争のことを考えてほしい」と話した。【栗原俊雄】

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