欧州訪問中の台湾の蔡英文前総統は17日、ブリュッセルの欧州議会を訪問し、台湾に友好的な議員約50人と懇談した。台湾メディアが報じた。
蔡氏は「台湾と欧州は同じように強大で脅威的な隣国に向き合っている」と統一を迫る中国とウクライナ侵攻を続けるロシアを重ね、民主主義の国が団結して地域の平和と安定を危うくする中国を止めてほしいと訴えた。会合には欧州議会幹部や対中国関連の議員グループのメンバーらが出席した。
5月の退任後初となる外国訪問で、チェコ・プラハの国際会議で講演したり、フランス・パリで仏上下両院の議員約30人と懇談したりした。台湾の総統経験者が欧州議会を訪問するのは初めてという。
米ニュースサイト「ポリティコ」は関係者の話として、蔡氏が近く米国を訪問する計画があると伝えた。蔡氏の事務所は「コメントできない」としている。【台北・林哲平】