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コロナ下「鼻出しマスク」で対局停止処分 棋士の賠償請求棄却


将棋の公式戦で鼻を出してマスクを着けたことで反則負けとなり、日浦市郎八段が3カ月の対局停止処分を受けた。この件で日浦八段は連盟に約380万円の損害賠償を求めたが、東京地裁は請求を棄却した。この事件は、新型コロナウイルス感染拡大防止策として導入された「臨時対局規定」に基づいていた。この規定によりマスクの正しい着用、具体的には鼻と口を覆うことを義務化していた。日浦八段は、この規定が鼻まで覆うことまでは求めていないとして反則や対局停止処分は不当だと主張。一方、連盟側は政府方針に基づく合理的な対応と反論。最終的に裁判所は、連盟の裁定に合理性があるとして、日浦八段の主張を認めなかった。なお、この臨時対局規定は2023年3月に廃止された。

 将棋の公式戦で鼻を出してマスクを着け3回反則負けになり、3カ月の対局停止処分を受けた日浦市郎八段(58)が、日本将棋連盟に約380万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は18日、請求を棄却した。

 訴状によると、連盟は2022年2月、新型コロナウイルスの流行を受け、対局中にマスクの着用を義務づけた「臨時対局規定」を導入した。

 日浦八段は23年1~2月に3回、マスクから鼻を出した状態で対局に臨み、臨時対局規定に違反したとされ、いずれも反則負けになった。これにより3カ月の対局停止処分を受け、対局停止期間に予定されていた3回の対局が不戦敗となった。

 日浦八段側は訴訟で、臨時対局規定はマスクを着用する際に、鼻まで覆うことまでは義務づけておらず、反則負けや対局停止処分は社会通念上相当ではなく、裁量権を逸脱していると主張した。

 連盟側は、マスクで鼻と口を覆う政府方針に従って臨時対局規定を運用していたと反論。対局では対戦相手と同じ条件下で実力を発揮することが求められ、正しい着用を求めるのは合理性があると争っていた。

 臨時対局規定は、政府がマスク着用に関する方針を緩和したため、23年3月に廃止されている。【菅野蘭】

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