11月の米大統領選の共和党候補、トランプ前大統領は15日、中西部イリノイ州で開かれたイベントで、中国軍が台湾を取り囲む形で実施した14日の軍事演習について「(自身が返り咲いた)後ではやらないから、今やっているのだ」と述べた。自身が当選した場合、中国の軍事活動を抑制できるとの自信をアピールした。
トランプ氏はイベントでジャーナリストの質問に応じ、中国の習近平国家主席と「非常に良い関係にある」と強調した。中国が台湾に侵攻した場合、台湾防衛のために米軍を派遣するかという質問には答えなかった。
一方、大統領退任後もロシアのプーチン大統領と電話で話しているのかを問われると「コメントはしない。もし話しているとしたら賢明なことだ」と述べた。
バイデン政権が韓国との間で、2026~30年の在韓米軍の駐留経費負担交渉を妥結させたことについては「自分が大統領ならば、年間100億ドル(約1兆4900億円)は支払わせていた」と不満を示した。
ロイター通信によると、今月公表された米韓の合意では、26年は前年比8・3%増の約1兆5200億ウォン(約1700億円)を韓国側が支払い、その後は消費者物価指数の上昇率に連動して決めることになった。
トランプ氏が復権した場合に交渉が難航するのを懸念し、前倒しで妥結したとの見方が強い。
トランプ氏は、北朝鮮が15日に韓国との間を結ぶ鉄道路線を爆破したことにも言及。自身のソーシャルメディアへの投稿で「悪いニュースだ。『トランプだけが問題を解決できる』ということだ」と強調した。【ワシントン秋山信一】