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奈良で「進撃」ヌートリア 大和川沿いで拡大、わずか5年で源流域に


 奈良県の大和川沿いに大阪から東に「進撃」する特定外来生物ヌートリア(南米原産の大型ネズミ)の目撃情報が桜井市内で増え、市がホームページなどで注意を喚起している。大阪府境の県西部・王寺町で目撃され始めたのは2019年で、わずか5年で源流域に近い上流の奈良盆地南東部にまで生息域を広げたとみられる。

 桜井市農林課によると、同市三輪や金屋などの大和川での目撃証言が今年に入って急増。6月26日に「餌を与えないで」と注意を呼びかけ、捕獲檻を貸し出す情報を発信した。担当者は「どの辺りまで生息しているのかを把握したいので、目撃した人は市役所に通報を」と話している。

 ヌートリアの目撃情報を集める大阪市立自然史博物館の和田岳・主任学芸員によると、大和川水系では10年代中ごろから大阪府で目撃が増え、県内からは19年1月、王寺町の情報が初めて寄せられた。町はこの年、捕獲器で9匹を捕まえた。

 その後、佐保川など大和川支流で目撃され、23年には県南部の源流域に近い御所市蛇穴の葛城川から情報が届いた。県北西部の生駒市の竜田川のほか、天理市の布留川、香芝市の葛下川など支流で多くの目撃情報があり、生息域の拡大をうかがわせている。

 ヌートリアは大和川水系より淀川水系で早く生息域を広げており、県内では支流の木津川水系の奈良市東部や宇陀市などで10年代前半から目撃されている。【熊谷仁志】

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